歌舞伎座の建て替え問題、それに問題意識を持つ人の輪が広がっています。
建築に詳しい方々、まちづくりに詳しい方々、大学等学術関係者、弁護士をはじめ各分野の専門の知識をお持ちの方々が中心になり、会が立ち上がろうとしています。
『(仮称)歌舞伎座の建て替えを考える会』
以下、会の趣旨です。
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「歌舞伎座建て替え計画の見直しを!」 2009年3月
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(仮称)歌舞伎座の建て替えを考える会
松竹株式会社及び株式会社歌舞伎座は、現在の歌舞伎座の建物
(設計:岡田信一郎、改修:吉田五十八、国登録文化財)の、都
市再生特別地区内の容積割増を得て、超高層への建て替えを公表
しています。また、東京都も、事業者の届出に沿ってこの計画に
沿った都市再生特別地区についての都市計画手続を進めています。
2009年 1月28日に新聞各紙で報道された計画案(パース)によ
りますと、「新築・歌舞伎座」は地上約 150メートル、29階建て
の超高層ビルになります。低層部分の劇場入口は「現在の建物の
イメージを継承したデザイン」(レプリカ)とし、唐破風など一
部の意匠は継承を図るとしていますが、ガラスを多用し、細部の
装飾を省略するというもので、現在の特徴あるデザインとは「全
く似て非なる」意匠・計画案になってしまっています。
私たちはこの建て替え計画の見直しを強く求めるものです。
理由は大きく二点です。まず一点目は、歌舞伎座が貴重な文化
財であることです。現在の歌舞伎座は、関東大震災からの復興、
戦災からの復興という都市の記憶を留め、東京名所としても多く
の人々に親しまれてきた重要な歴史的建造物です。
破風屋根の桃山様式風の外観は、和風意匠の鉄筋コンクリート
造の歌舞伎専用劇場として、設計者が考えに考えた末にたどりつ
いたもので、まさに歌舞伎の殿堂にふさわしいものと考えます。
次に、各種設備の劣化、バリアフリーなどの対策は「全面建て
替え・超高層ビル化」は直結しない、ということです。
現在の歌舞伎座には「老朽化」「耐震性」「バリアフリー」等
の問題が指摘されています。しかし、文化財である歴史的建物の
保存(使いながら残す動的保存)と、耐震性・バリアフリー対応
などの必要を両立させた事例は数多く存在しており、根本的に、
建て替えについて「再検討」の余地があります。
事業者に対しては、現在発表の超高層建て替え及び一部レプリ
カの計画を見直して、所有者として文化財の保全の責務を全うす
べきこと-各種設備の地道な更新・改善、免震制震等の活用-地
下との連絡改良等による保存措置を講じること。新築計画に関わ
るデベロッパー、設計者についても、事業者の責務を全うして、
然るべき計画案の見直しを指示すること。
また、東京都・中央区・文化庁等に対しては、現に文化財であ
る、東京を代表する歴史的建造物の保全・保存を前提とした諸審
議、行政内での検討を強く求めるものです。
特に、東京都には都議会都市整備委員会、東京都都市計画審議
会等での審議において、いわゆる「都市計画諸制度」「都市再生
特区」の濫用を戒め、慎重な審議を強く求めるものです。
(以上)
*****
私も、この会に一メンバーとして、参加させていただき、できることがあれば、全面協力させていただきたいと考えています。
会のご報告は、随時、このブログでも行います。
建築に詳しい方々、まちづくりに詳しい方々、大学等学術関係者、弁護士をはじめ各分野の専門の知識をお持ちの方々が中心になり、会が立ち上がろうとしています。
『(仮称)歌舞伎座の建て替えを考える会』
以下、会の趣旨です。
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「歌舞伎座建て替え計画の見直しを!」 2009年3月
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(仮称)歌舞伎座の建て替えを考える会
松竹株式会社及び株式会社歌舞伎座は、現在の歌舞伎座の建物
(設計:岡田信一郎、改修:吉田五十八、国登録文化財)の、都
市再生特別地区内の容積割増を得て、超高層への建て替えを公表
しています。また、東京都も、事業者の届出に沿ってこの計画に
沿った都市再生特別地区についての都市計画手続を進めています。
2009年 1月28日に新聞各紙で報道された計画案(パース)によ
りますと、「新築・歌舞伎座」は地上約 150メートル、29階建て
の超高層ビルになります。低層部分の劇場入口は「現在の建物の
イメージを継承したデザイン」(レプリカ)とし、唐破風など一
部の意匠は継承を図るとしていますが、ガラスを多用し、細部の
装飾を省略するというもので、現在の特徴あるデザインとは「全
く似て非なる」意匠・計画案になってしまっています。
私たちはこの建て替え計画の見直しを強く求めるものです。
理由は大きく二点です。まず一点目は、歌舞伎座が貴重な文化
財であることです。現在の歌舞伎座は、関東大震災からの復興、
戦災からの復興という都市の記憶を留め、東京名所としても多く
の人々に親しまれてきた重要な歴史的建造物です。
破風屋根の桃山様式風の外観は、和風意匠の鉄筋コンクリート
造の歌舞伎専用劇場として、設計者が考えに考えた末にたどりつ
いたもので、まさに歌舞伎の殿堂にふさわしいものと考えます。
次に、各種設備の劣化、バリアフリーなどの対策は「全面建て
替え・超高層ビル化」は直結しない、ということです。
現在の歌舞伎座には「老朽化」「耐震性」「バリアフリー」等
の問題が指摘されています。しかし、文化財である歴史的建物の
保存(使いながら残す動的保存)と、耐震性・バリアフリー対応
などの必要を両立させた事例は数多く存在しており、根本的に、
建て替えについて「再検討」の余地があります。
事業者に対しては、現在発表の超高層建て替え及び一部レプリ
カの計画を見直して、所有者として文化財の保全の責務を全うす
べきこと-各種設備の地道な更新・改善、免震制震等の活用-地
下との連絡改良等による保存措置を講じること。新築計画に関わ
るデベロッパー、設計者についても、事業者の責務を全うして、
然るべき計画案の見直しを指示すること。
また、東京都・中央区・文化庁等に対しては、現に文化財であ
る、東京を代表する歴史的建造物の保全・保存を前提とした諸審
議、行政内での検討を強く求めるものです。
特に、東京都には都議会都市整備委員会、東京都都市計画審議
会等での審議において、いわゆる「都市計画諸制度」「都市再生
特区」の濫用を戒め、慎重な審議を強く求めるものです。
(以上)
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私も、この会に一メンバーとして、参加させていただき、できることがあれば、全面協力させていただきたいと考えています。
会のご報告は、随時、このブログでも行います。