「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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劇症型未熟児網膜症の診断と治療 その難しさ故に生じた不幸な事案 最判S60.3.26

2014-09-03 18:08:28 | 医療と法、医事法
 昭和51年3月の未熟児網膜症に対する医療行為の判例です。

 上告を棄却されています。
 
 上告代理人の書かれている上告理由(判例時報1178号)を読みました。
 上告代理人のおっしゃっていることが、よくわかりました(以下、最高裁の判決文には、残念ながら、現れていません)。
 
 同じ不幸な事案が生じないように、医療側もさらなる努力をしていかねばなりません。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/673/052673_hanrei.pdf

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。

         理    由
 上告代理人藤原光一、同池尾隆良、同谷口由記、同正木隆造、同西川元庸の上告
理由第一点ないし第三点について

 原審が、被上告人についての担当医師の診断の結果、失明に至るまでの経緯等に
ついて認定した事実関係の要旨は、(1) 被上告人は、昭和五一年二月八日上告人
の経営にかかるD病院産婦人科において、Eを母とし一卵性双生児の第二子として
出生したが、出産予定日が同年三月二〇日であり、在胎週数三四週で約四一日早く
出生し、生下時体重一二〇〇グラム、足位出産のいわゆる極小未熟児であつた、(
2) 被上告人は、出生直後から同年四月一二日(六五日目)まで保育器に収容さ
れ、酸素投与を受けたが、酸素は四〇パーセントの濃度を超えないように留意され
た、(3) F医師は、昭和五〇年三月G医科大学を卒業して同年五月医師国家試験
に合格し、同年六月から同五二年五月まで同大学眼科教室及び付属病院において研
修医として勤務するとともに同五〇年一〇月から同五二年一月までD病院眼科に毎
週水曜日に嘱託医として勤務し、未熟児網膜症(以下「本症」ともいう。)につい
ては被上告人の診察前に患者二、三名の眼底検査を経験したにすぎなかつたが、同
五一年三月一〇日(生後三二日目)、同病院の小児科の担当医であり被上告人の主
治医であつたH医師の依頼に基づき、被上告人の眼底検査をし、被上告人の生下時
体重等から未熟児網膜症の発症を予想し、検査の結果、オーエンス一期の症状の疑
いがあると考えたが、本症は自然治癒率が高いので経過観察で足りると判断し、カ
ルテには、「視神経乳頭の境界は鮮明で色調も正常、網膜は透明でよく透見できる、
網膜血管は両側蛇行しており、左眼に極めて小さい出血か?」と記載した、(4) 
- 1 -
F医師は、同月一七日再度被上告人の眼底検査をし、被上告人の両眼は反射の強い
オレンジ色を呈し赤味を帯び、血管の怒張と蛇行が強くなり、左眼には大きな出血
があるとの所見をえ(以下「F医師の第二回所見」という。)、カルテには、「網
膜血管は非常に強く蛇行し拡張している、色調はほとんど正常である、視神経乳頭
は境界鮮明で正常の色調である」と記載したが、経験が浅く、被上告人の症状ほど
急激に進行した症例を経験したことがなく、本症Ⅱ型の経験もないため、被上告人
の眼底の急変に異常なものを感じ、指導医による診察の必要を感じたが、同病院眼
科の診療体制が診察日は週一回水曜日のみで指導医のI医師は月一回の診察となつ
ていたため、同医師に対し次回三月二四日に被上告人を診察するよう依頼したにと
どまつた、(5) 同月二四日I医師は、被上告人を保育器に収容したままプラスチ
ック越しに眼底検査をし、その結果、被上告人の瞳孔はほぼ正円状で網膜剥離、虹
彩後癒着にまで至つておらず、耳側の無血管帯はよく見えるが、鼻側は見えにくく、
網膜には出血斑が見られ、境界線ははつきり見えるが、ヘイジイメデイアが周辺部、
赤道部に強く、網膜の血管新生の状態はよくわからないとの所見をえ、被上告人の
病状は本症Ⅰ型の二期の終りないし三期であると判定し、できるだけ早く被上告人
に光凝固か冷凍凝固かを施さなければならないと判断し、カルテには、「耳側の部
位、無血管領域は中等度に拡大し、境界を認める、鼻側の部位は中間透光体がかす
んでいるため血管新生は不明である、瞳孔は小さい」と記載したが、D病院におい
ては、従来本症の発症例の経験がなく、光凝固等の手術を行う医療機械設備もなか
つたので、被上告人を転医させることとし、同日H医師に対し、翌日一番にJ病院
に連絡をとるよう伝えたが、同月二五日同病院から断られたとの連絡を受けたので、
改めてK大学病院等を指示したところ同病院における同月二六日の診療の予約がと
れるに至つた、(6) 同月二六日K大学病院眼科のL医師は、被上告人の診断をし
たが、その所見は、眼底周辺部から後極部に向かい網膜は灰白色で前方硝子体腔に
- 2 -
膨隆し、赤道部を超えて黄斑部にまで浮腫(軽度の網膜剥離)を認め、網膜は全剥
離の様相を示し、網膜血管は著明に拡張怒張し、紆余曲折している、被上告人は本
症の末期であり光凝固等外科的療法の適応でないというものであり、合併症の懸念
があるので、経過観察を要するものとして、同年四月一日を次回の診察日に指定し
た、(7) 同年三月三一日F医師は、被上告人を診断し、「無血管領城(・)、境
界線(+)(両側)、あとの所見は三月二四日のI医師の所見と同じである」とカ
ルテに記載した、(8) 同年四月一日被上告人は、K大学病院において、同大学医
学部教授M医師の診断を受けたところ、同医師は、「両眼とも高度の虹彩後癒着の
ため瞳孔が散大せず、不正円である。両眼とも朦朧と透見しうる。乳頭は強度に境
界が不鮮明。網膜静脈は強度に怒張蛇行し、充盈し、一部コルク栓抜状に屈曲して
いる。網膜は、両眼とも全般に強く浮腫状に混濁し、後極部に及ぶ泡状網膜剥離(
一〇ないし二〇ジオプトリー)を来しており、境界線が顕著である。右眼には出血
斑も混在している。黄斑部は瀰漫性浮腫状に混濁している。」との所見をえた、(
9) 虹彩後癒着の原因は、網膜剥離がかなり長期間(一週間ないし二週間)続い
ていたため、網膜の後部にある脈絡膜に反応性の病変が起こり、脈絡膜につながる
毛様体、虹彩に炎症(ぶどう膜炎)が波及し、強い滲出性の病変が起こつたことに
あると推認され、硝子体に瀰漫性の混濁があるのはぶどう膜炎及び網膜剥離に由来
している、(10) 被上告人は、同年四月二日と同月八日の二回にわたつてJ病院
において冷凍凝固の処置を受けたが、改善の効果はなかつた、(11) 右診断、所
見のうちM医師及びL医師の診断、所見が適確なものであるが、F医師の第三回目
の眼底検査によつてえた前記所見は過誤、未熟さが明白であり、同医師は本症の眼
底検査の技術を修得しておらず、同医師の第一、二回の各眼底検査時の被上告人の
眼底検査の正確な診断はなきに等しいものである、(12) 右M医師及びL医師の
診断に照らすと、被上告人の未熟児網膜症はいわゆる本症Ⅰ型ではなくⅡ型か混合
- 3 -
型か断定できないが激症型と認められ、I医師が診断した当時においては被上告人
は既に網膜剥離の状態にあつたと認められるが、F医師が第二回眼底検査をした時
点では、被上告人は本症に罹患していたが、光凝固等によつて失明を免れる可能性
があつた、というものであり、以上の事実認定は原判決挙示の証拠関係に照らして
是認することができ、その過程に所論の違法はない。

 被上告人の本症罹患当時における本症の診断及び治療に関する一般的基準並びに
被上告人の検査に当たつた前記各医師の右一般的基準の認識について、原審が適法
に確定するところは、次のとおりである。(一) 右一般的基準は、昭和四九年に発
足したN大学医学部眼科教授Oらからなる研究班が、翌五〇年に発表した「未熟児
網膜症の診断ならびに治療基準に関する研究報告」に明らかにされているところの
ものである。(二) 右研究報告によると、本症の診断及び治療基準は、「(1) 本
症は、臨床経過、予後の点よりⅠ型、Ⅱ型に大別され、Ⅰ型は、主として、耳側周
辺に増殖性変化を起こし(鼻側と比べると耳側領域は血管発達が遅れるため、本症
の病変は、耳側網膜に出現するという)、検眼鏡的に、血管新生、境界線形成、硝
子体内滲出、増殖性変化を示し、牽引性剥離へと段階的に進行する比較的緩徐な経
過をとるものであり、自然治癒傾向の強い型であるのに対し、Ⅱ型は、主として極
小低出生体重児にみられ、未熟性の強い眼に発症し、血管新生が後極寄りに耳側の
みならず鼻側にも出現し、それより周辺側の無血管帯が広いものであるが、ヘイジ
イのために無血管帯が不明瞭なことも多く、後極部の血管の迂曲、怒張も初期より
みられ、Ⅰ型と異なり段階的な進行経過をとることが少なく、強い滲出傾向を伴い、
比較的速い経過で網膜剥離を起こすことが多く、自然治癒傾向の少ない予後不良の
型であるとされる。(2) Ⅰ型の臨床経過分類は、(イ) 一期(血管新生期)に
おいては、周辺ことに耳側周辺部に血管新生が出現し、周辺部は無血管帯領域で蒼
白である。後極部には変化がないか軽度の血管の迂曲怒張を認める。(ロ) 二期
- 4 -
(境界線形成期)には、周辺ことに耳側周辺部に血管新生領域と周辺の無血管帯領
域の境界部に境界線が明瞭に認められ、後極部には血管の迂曲怒張を認める。(ハ)
 三期(硝子体内滲出、増殖期)では、硝子体内への滲出と血管及びその支持組織
の増殖が検眼鏡的に認められ、後極部の血管の迂曲怒張を認め、硝子体出血を認め
ることもある(なお、三期については、これを前期、中期、後期に分ける見解があ
り、それによると前期は、極く僅かな硝子体内への滲出、発芽を検眼鏡的に認めた
時期であり、中期とは、明らかな硝子体内への滲出、増殖性変化を認めた時期をい
い、後期とは、滲出性限局性剥離の時期とするものである。しかし一方この時期は、
期間が長く、一部には活動性を示す部位と他では既に瘢痕化を起こしている部位が
混在していて、三期の後期と四期の初期との区別は難しいという意見がある。)。
(ニ) 四期(網膜剥離期)は、明らかな牽引性網膜剥離が認められ、耳側の限局
性剥離から全周剥離までが含まれる。(3) Ⅱ型の臨床経過分類は、次のとおりで
ある。これは主として極小低出生体重児に発症し、未熟性の強い眼に起り、初発症
状は、血管新生が後極寄りに起こり、耳側のみならず鼻側にもみられることがあり、
無血管領域は広く、その領域は、ヘイジイメデイアでかくされていることが多い。
後極部の血管の迂曲怒張も著明となり、滲出性変化も強く起こり、Ⅰ型のような段
階的経過をとることも少なく比較的急速に網膜剥離へと進む。(4) なお、以上の
外に、Ⅰ型、Ⅱ型の混合型もあると考えられている。(5)(イ) 本症の治療には、
未解決の問題点が残されてはいるものの、光凝固あるいは冷凍凝固を適切に行うと
治癒しうることが多くの研究者の経験から認められている。しかし右の二つの型に
おける治療の適応方針には大差があるとされている。(ロ) 治療の適応について
は、Ⅰ型においては、その臨床経過が、比較的緩徐で、発症より段階的に進行する
状態を検眼鏡的に追跡確認する時間的余裕があり、自然治癒傾向を示さない少数の
重症例のみに選択的の治療を施行すべきであるが、Ⅱ型においては、極小低出生体
- 5 -
重児という全身条件に加えて網膜症が異常な速度で進行するために治療の適期判断
や治療の施行に困難を伴うことが多い。したがつて、Ⅰ型では治療の不必要な症例
に、行き過ぎた治療を施さないよう慎重な配慮が必要であり、Ⅱ型においては、失
明を防ぐために治療時期を失わぬよう適切迅速な対策が望まれている。(ハ) 治
療時期についてⅠ型では自然治癒傾向が強く二期までの病期中に治癒すると、将来
の視力に影響がないので二期までの病期のものに治療を行う必要はない。三期にお
いて更に進行の徴候が見られる時に始めて治療が問題になる。ところが、Ⅱ型では、
血管新生期から突然網膜剥離を起こしてくることが多いので、Ⅰ型のように進行段
階を確認しようとすると、治療時期を失うおそれがあり、治療の決断を早期に下さ
なければならない。この型は、極小低出生体重児で未熟性の強い眼に起こるので、
このような条件を備えた例では、綿密な眼底検査を可及的早期に行うことが望まし
く、無血管領域が広く全周に及ぶ症例で血管新生と滲出性変化が起こり始め後極部
血管の迂曲怒張が増強する徴候が見えた場合は、直ちに治療を行うべきであるとさ
れている。(ニ) 治療方法について、光凝固は、Ⅰ型では、無血管帯と血管帯と
の境界領域を重点的に凝固し、後極部付近は凝固すべきでない。Ⅱ型においては、
無血管領城にも広く散発凝固を加えるが、この際後極部の保全に十分な注意が必要
である。冷凍凝固も凝固部位は光凝固に準ずるが倒像検眼鏡で氷球の発生状況を確
認しつつ行う必要がある。初回の治療後症状の軽快が見られない場合は、治療を繰
り返すこともあり、また、全身状態によつては数回に分割して治療することもある。
混合型では、治療の適応、時期、方法をⅡ型に準じて行うことが多い。」というも
のである。(三) F、I、L及びMの各医師は、本件における被上告人の診断、治
療に際して、前記の研究報告の存在、その内容を熟知していた。
 さらに、原審が、被上告人の本症罹患当時の未熟児に対する定期的眼底検査の目
的、時期等についての一般水準として確定するところは、未熟児に対する眼底検査
- 6 -
は、本症の活動期の初発病変を捉えて、その経過を連続的に観察し、ヘイジイメデ
イアの存在とその持続期間、未熟眼底と成熟眼底との鑑別、本症活動性病変の早期
発見とⅠ型、Ⅱ型の判定等を行い、これに基づいて治療方針を決定し、光凝固、冷
凍凝固療法施行後においては予後合併症の追及をすること等を目的とするものであ
つて、未熟児の眼底の未熟度の判定及び本症発見のためには、生後できるだけ早期
に、遅くとも三週以降眼底検査を開始し、本症の早期発見と進行の監視を行い、進
行重症例への最も適切な病期における光凝固ないし冷凍凝固による治療を施すのが、
実際的な対策であり、定期的眼底検査の頻度については、前記研究報告は、生後満
三週以降一週一回、三か月以降は、隔週または一か月に一回、六か月まで行い、発
症を認めたときは、必要に応じ、隔日または毎日眼底検査を実施し、その経過を観
察することが必要である、というものである。

 以上の原審の確定した事実関係のもとにおいては、F医師としては、第二回眼底
検査の結果、前示の第二回所見をえ、第一回の眼底検査から僅か一週間を経過した
にすぎないわりには、被上告人の眼底に著しく高度の症状の進行を認めたのである
から、本症Ⅱ型の疑いの診断をし、頻回検査を実施すべきであり、また、本症の患
者二、三名の眼底検査をした程度の経験を有するにすぎなかつたのであるから、直
ちに経験豊かな他の専門医の診察を仰ぎ、時期を失せず適切な治療を施し、もつて
失明等の危険の発生を未然に防止すべき注意義務を負うに至つたものというべきで
あるところ、同医師は、被上告人の症状の急変に驚き、おかしいと感じながらも十
分に未熟児網膜症の病態の把握ができなかつたため、頻回検査の必要性にも気付か
ず、一週間の経過観察として、次週にI医師の診断を求めたのにとどまつたが、か
かる処置は、被上告人が未熟児網膜症の激症型であつたことに照らすと、不適切な
ものであつたというべきであり、このため被上告人は光凝固等の外科的手術の適期
を逸し失明するに至つたものであるから、F医師には医師としての右注意義務違背
- 7 -
の過失があつたものというべきであり、右処置と被上告人の失明との間には相当因
果関係があるものというべきである。これと同旨の原審の判断は、正当として是認
することができる。論旨は、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、原判決
の結論に影響のない事実誤認をいうものであつて、採用することができない。

 同第四点一について
 所論の不確定要素は、原審が確定した逸失利益及び介護料にかかる損害額を減額
すべき事由とはいえない。所論引用の判例は、本件と事案を異にし適切でない。原
判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
 同二について
 原審は、被上告人の第一審被告大阪市に対する請求の理由のないことを斟酌した
うえ、所論の弁護士費用にかかる損害額を算定しているものであり、このことは原
判文上明らかである。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することはできない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。


     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    木 戸 口   久   治
            裁判官    伊   藤   正   己
            裁判官    安   岡   滿   彦
            裁判官    長   島       敦
- 8 -


http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52673

事件番号

 昭和57(オ)1112



事件名

 損害賠償



裁判年月日

 昭和60年3月26日



法廷名

 最高裁判所第三小法廷



裁判種別

 判決



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 民集 第39巻2号124頁




原審裁判所名

 大阪高等裁判所



原審事件番号

 昭和55(ネ)2210



原審裁判年月日

 昭和57年6月25日




判示事項

 昭和五一年二月出生の極小未熟児が急激に進行する未熟児網膜症により失明した事故につき担当の眼科医が同児に対し他の専門医による診断治療を受けさせる措置をとらなかつたことに過失があるとされた事例



裁判要旨

 昭和五一年二月に在胎三四週体重一二〇〇グラムで出生した極小未熟児が急激に進行する未熟児網膜症により失明した場合において、当該病院には当時未熟児網膜症の治療方法として一般的に認められるに至つていた光凝固等の手術のための医療機械がなく、また、同児の眼底検査を担当した眼科医が、未熟児網膜症についての診断治療の経験に乏しく、生後三二日目にした一回目の検査とその一週間後にした二回目の検査により、眼底の状態に著しく高度の症状の進行を認めて異常を感じたにもかかわらず、直ちに同児に対し適切な他の専門医による診断治療を受けさせる措置をとらなかつたため、同児が適期に光凝固等の手術を受ける機会を逸し失明するに至つた等の判示の事実関係のあるときは、眼科医には右失明につき過失があるものというべきである。



参照法条

 民法415条,民法709条,民法715条1項
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最後の砦としての、病児保育、あります!コラム「裁判官生活と育児」東京地裁裁判官(匿名)を読んで。

2014-09-03 11:05:01 | 各論:病児保育
 いずれの職業も、たとえ、お子さんの病気であったとしても、急に休むことは、なかなか難しい。

 

 当院病児保育も、最後のとりでのひとつとして、子どもとその親御さんを支えることができればと思っています。

 以下、裁判官のかたからの現場の声。

 
*************************************************
http://www.j-wba.com/modules/info/index.php?page=article&storyid=56
コラム「裁判官生活と育児」

カテゴリー:コラム 2014/09/01

今回機会をいただきまして、このような場にコラムを書かせていただくことになりました。

私は、現在東京地裁で裁判官として勤務しています。これまで数か所の裁判所を経験しました。その都度引越もあり、任官した時に人生は旅のように過ごそうと心に決めたとおり、その土地その土地を楽しみ、そこでの出会いを大切にしています。夫も同業ですから、これからも旅のような裁判官生活を送ることになると思います。

気がかりなのは小学生の娘のことで、今後も転校を重ねることになると思うと、娘には苦労をかけます。しかし、それを強さに変えて成長して欲しいと願っています。私自身は、仕事もありますが、「裁判官の子に生まれるんじゃなかった!」なんてことを娘が感じないですむよう、娘との時間を一番大切にしていています。もちろん夫の協力が不可欠ですし、夜の会合も多いので民間の学童保育をお願いし、急病のとき未だにベビーシッターをお願いしているように、他人の助けも不可欠です。

気になるのは、よく「実家からの手伝いはないのですか?」と言われることです。私も夫も実家は遠方ですが、以前の実家に近い勤務地でも、普段の手伝いを頼むことはありませんでした。そもそも私の母は現役で働いていますし、娘が親になる約20年後に私は働いていると思います。実家の支援がないと実現できない女性の社会進出というのは、矛盾していますよね。女性が育児をしながら働きやすいと言われる裁判所でそうですから、少子化も進むばかりと心配になります。

なお、お世話になっている民間の学童保育は、東京への引越が決まった時に、たまたまインターネットで見つけて藁にもすがる思いで申し込んだのですが、期待以上に良いところで、英語学習のほか、様々な公園や社会科見学に連れて行くなど、個人では難しい経験をさせてもらえています。

必要な情報を探すのが難しい世の中ですし、せっかくの女性の集まりですから、法律のことだけでなく、そのような情報交換もできる場になるといいですね。

東京地方裁判所裁判官(匿名)
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医の倫理綱領 平成12年4月2日採択(日本医師会第102回定例代議員会)

2014-09-03 10:50:51 | 民法総則
医の倫理綱領
http://www.med.or.jp/doctor/member/000967.html

2000.4.1





 医学および医療は、病める人の治療はもとより、人びとの健康の維持もしくは増進を図るもので、医師は責任の重大性を認識し、人類愛を基にすべての人に奉仕するものである。

 

1.医師は生涯学習の精神を保ち、つねに医学の知識と技術の習得に努めるとともに、その進歩・発展に尽くす。


2.医師はこの職業の尊厳と責任を自覚し、教養を深め、人格を高めるように心掛ける。


3.医師は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。


4.医師は互いに尊敬し、医療関係者と協力して医療に尽くす。


5.医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努める。


6.医師は医業にあたって営利を目的としない。



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