「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

H27年12月1日から施行のストレスチェック制度 企業・学校・保育園・役所すべての職場で有効活用を!

2015-11-26 23:00:00 | 医療
 平成26年度の労働安全衛生法改正(H26.6.25公布、H27.12.1施行)では、大きな改正がなされ、すべての職場に、ストレスチェックが導入されることとなりました。

 中央区医師会でも産業医科大学産業生態科学研究所作業関連疾患予防学教室の岩崎明夫先生を講師にお招きし、勉強会がH27.11.26に開催されました。

 労働安全衛生法改正の背景には、
 ○自殺者数 3万人をきるも、まだ25000人近く発生している

 ○うつ病など気分障害患者が増加している

 ○労災補償では、精神障害請求件数・認定件数ともに増加している

 ○仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスがある労働者が6割という水準が続いている

 などがあります。

 
 ストレスチェックは、その結果は、企業の人事には見られず、産業医と本人だけのデータ共有がなされます。(この個人情報保護が、最も大事な部分であると考えます。)
 もし、高ストレス状態の結果が出た場合、その本人は、産業医の指導を受けることができます(本人から申し出があった場合は、企業は、本人と医師の面接指導を実施するとことが義務、申出を理由とする不利益な取り扱いは禁止)。

 この手の調査は、非常にデリケートな調査であり、今回の改正に至るまでの道筋もたいへん紆余曲折があったこともそれを物語っています。
 頑張るひとは、ストレス状態の本当のことを企業に知られ、昇進などに影響することを考え、本当のことを書かないこともありうるのではないでしょうか。
 今回のストレスチェックでは、結果を企業の人事部など実施医師以外には知られぬように配慮がなされて実施されます。


 小児科医師としては、企業の産業医の機会は第一義的にはありませんが、教職員や保育士の皆様がストレスなく働かれることが、学校生活保育園生活を送る子ども達にとって、最も大事なことのひとつであり、この度のストレスチェック制度がメンタルヘルス改善の一次予防策として機能することを強く期待しています。

 なお、小児の死亡原因の10歳~14歳の第2位は自殺であり、15歳~19歳の第1位もまた自殺です(平成25年厚労省人口動態統 調査)。
 実は、自殺は、大人だけの問題では、ないのです!



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ストレスチェック制度は、2014年6月25日に公布された改正労働安全衛生法に盛り込まれたもので、事業者が労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査と面接指導の実施等が義務づけられた。50人以上の事業場で、医師、保健師等によるストレスチェックの実施が事業者に義務付けられた。50人未満の事業場は当分の間努力義務となっている。
http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2015/004265.php

厚労省関連ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/
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