「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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「放射線と不安―感じ方の違い認めよう」本日朝日新聞社説。医療者と行政がしっかり取り組まねば…

2011-06-30 09:30:10 | 防災・減災
 本日、朝日新聞社説では、放射線の不安に関連した内容になっています。

 保護者の皆様、区民の皆様の不安にきちんと応えていける区政であるべきであるし、私たち医療者もまた、応えるべく取り組んでいかねばならないと思います。

 放射線量測定とその結果の公表、それをどう解釈すべきかの説明をきっちりとし、また、放射線知識・知見の普及・啓発もしていく必要があります。
 

*****朝日新聞 社説(2011/06/30)******
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1

放射線と不安―感じ方の違い認めよう 

放射線への不安が被災地から離れた場所にも広がっている。東京など首都圏でも、個人や市区町村が公園や通学路、給食の食材など、身の回りの線量を測っている。

 原発事故の現場に近い福島県とは切迫感に差がある。だが、一時的にせよ東京では水道水で、遠い静岡でも製茶で、放射性物質が基準を超えていた。日々発表される数字は常に過去のものであり、いま自分のまわりでどうなのかはわからない。不安を感ずるのも無理はない。

 まずは、わかりやすくきめ細かな情報を提供したい

 原発事故から3カ月余り。市民が放射線の情報を理解して判断する力は上がっている。行政が単に「安心して」と広報して納得できた時代ではもうない。

 とくに、幼い子を持つ親世代の不安にどう応えるか。重要かつ難しい課題である。

 たとえば、厚生労働省が「妊娠中の方、小さなお子さんをもつお母さん」向けに出したパンフレットは「水道水は安全です」「外で遊ばせても心配しすぎる必要はありません」と簡潔にし、あえて具体的な根拠や数値を入れなかった。すると「かえって不安になる」と、親たちからの批判にさらされた。

 身近な市区町村や学校は、住民に理解と納得をしてもらううえで大きな役割を担う。砂場の砂に不安を覚える人がいれば、一緒に線量を測り、説明する。安全かどうか、見解が分かれる値なら、話し合って砂を入れ替えることもあってよい。

 低線量の放射線の危険は、わからないことが多く、受け止め方は人によって違う。子どもは大人より放射線の影響を受けやすいから、親世代は心配する。

 「子どものためなら、徹底的に安全策をとりたい」と考える人がいる。食材が心配で学校の給食を食べさせたくないから弁当を持たせる、野外活動が心配だから休ませる――。逆に「気にしすぎて野菜不足や運動不足になるほうが、子どもの成長に悪い」と考える人もいる。

 どこまで心配し、安全策をとるか。個人の価値観で判断が分かれるところが出てくる。

 鋭敏になっている子育て世代に上の世代が「心配しすぎだ」といっても、やすらげない。考え方の違いがあれば、互いの選択肢を封じることなく尊重し、語りあえる関係を守りたい。

 子どもの健やかな成長はだれもが望んでいる。放射線リスクの受け止め方の違いで社会に亀裂を生じさせ、原発事故の被害がさらに広がらないよう、子育て世代の不安を受け止めたい。

 以上
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