岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

岡山短大准教授教職外不当を訴え第1回口頭弁論1。

2016-06-05 08:36:28 | 岡山短大山口雪子准教授支援

5月31日、岡山地裁にて、第1回口頭弁論があり、その後、報告集会・支える会発足集会を開催しまし
た。当日は参加できませんでしたが、ご本人の意見陳述書をメールでいただきましたので、転載させていただきます。

 

意見陳述書

山口雪子

私は日本大学の学部時代から植物の環境としての土との関係について研究をして参りまし

た。植物にとって土は根を張り栄養を吸収する大事な環境です、その土が悪条件であった

場合に植物がどのように対応するのかを分子生物学レベルから岡山大学大学院自然科学研

究科博士後期課程では研究いたしました。

岡山短期大学で生物学と環境の教員を大至急探しているから面接を受けてきなさい、と

当時の研究室教授に勧められた際には、これまで植物を中心に研鑽してきた知見が活かせ

ると喜びを覚えたことを今でも記憶しています。

短期大学で「環境(保育内容)」の科目を担当することとなり、授業内容の研究を進め

ていく中で、環境教育という新たな研究テーマに出会いました。それは学生時代から地球

環境のために何か役立つことを研究したいと思う私にとって素晴らしい研究テーマでした。

生涯にわたる人格形成の基板を育む乳幼児期にどのような環境教育を行えば持続可能な

社会を担う人としての価値観が育成できるかを追求していくことは、とてもやりがいのあ

る研究活動です。その研究を進めるために様々な環境教育プログラムの指導者としての資

格も取得して参りました。

授業では研究している環境教育の内容を踏まえて毎年、内容を見直し、より良い環境教

育が保育現場で行えるように基礎を学生が身につけるように努力を重ねてきました。それ

は選択科目である生物学にも反映しており、幼児教育の現場で活かせる内容も含めつつ、

植物生理学・遺伝学・分子生物学の知見も盛り込んだ大学教養科目にふさわしい生物学講

義となるよう努めております。

私にとって授業とは研究そのものです。どのような授業を行えば、学生にとって社会に

保育現場に出たときに役立つか、乳幼児への環境教育を担えていけるか…課題をみつけ、

毎年改善をしていく研究活動の根幹となるものです。その根幹ともいうべき授業を突然、

視力がないことを理由に取り上げられました。また研究のための備品を私物として撤去し

研究活動の拠点となる研究室を明け渡すように命じられました。この授業外し、研究室退

去は単なる職務変更ではなく、研究者として大学教員として私が大切にしてきたことを全

て奪い、存在そのものを否定されているとしか感じられません。

授業外し・研究室退去について穏便な解決を模索しましたが不調に終わり、このような

訴訟を起こすこととなりましたが、私は岡山短期大学に感謝しています、なぜなら持続可

能な社会・共生社会を目指す環境教育という新たな研究テーマに出会うきっかけを与えて

くれたからです。岡山短期大学の教育3綱領、自律創生・信念貫徹・共存共栄を、思いやり

を持って私と関わってくれていた学生・卒業生へ、自らの行動・姿として示すためにも、

この裁判を通して環境教育という研究を続けるための授業を取り戻し、研究者・大学教員

としての研究・教育活動を貫き、学生・卒業生とともにより良い保育現場・環境教育を目

指していきたいと希望しておりますし、岡山短期大学にはより良い保育者養成課程となる

よう障害の有無に関わらずインクルーシブな教育環境を構築していただきたいと願ってお

ります。


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