北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【おまけ】鉄男魂ここにあり~釧路鉄道車両フェスティバル

2012-07-22 23:48:21 | Weblog
 昨日の土曜日は午前中の業務で、釧路駅で今日から運行される「北太平洋 花と湿原号」の出発式に立ち会いました。

 花の湿原号は、釧路と根室間の花咲線を一日一往復する『夏の道東周遊紀行キャンペーン』の企画列車。

 今の時期の花咲線沿線は湿原の花や日本とは思われないような太平洋の風景を楽しむことができ、これを掘りごたつ式のお座敷列車でゆったりと旅していただけるのが「花と湿原号」です。


 【車両のグレードは特急並みなんだそうですよ】


 この日の出発式では関係機関からのご来賓を迎えるなか、大江JR釧路支社長と中山釧路観光協会会長から挨拶があり、その後にくす玉を開き出発を祝いました。

 会場には北海道デスティネーションキャンペーン(HDC)や釧路のゆるキャラも登場。

 HDCのキャラは、シカのかぶり物をしたエゾナキウサギの「キュン」ちゃん。これってエゾシカじゃなかったんですね。 

 また丹頂とマリモの特別天然記念物指定60周年にあわせてできた、つる丸と「まりむ」の二体のゆるキャラも併せて賑やかしに花を添えてくれました。


 【ゆるキャラ総動員】


 定刻の11時25分には観光振興大使のマーメイド釧路のお二人の合図で列車は出発。

 この日は、一往復限定で復活した急行「まりも」に乗車してきた多くの鉄道ファンが熱心に写真を撮っておりました。


 【出発進行!】

    ※     ※     ※     ※     ※


 そんな式典も無事終わったところで、知り合いのJR職員と立ち話。

「そうそう小松さん、今日は鉄道車両フェスティバルというのを運輸車両所でやっていますから時間があればぜひ行ってみてください。普段は見られない施設が見られるんですよ」
「あ、そうなの?じゃあちょっと行ってみようかな」


 そんなわけで、早速釧路の運輸車両所を訪ねて鉄道車両フェスティバルを見てきました。


 【ちょっとした出店もあり】

 なるほど普段は入れない構内で、間近に本物の車両や車両保全のための施設を見ることができます。これは鉄道ファンならたまらないでしょう。






    ※    ※    ※    ※


 【鉄道模型を見せてくれています】

 ぷらぷらと歩きながら一番奥の大きな建物の中にはいると、おっ、楽しそうな鉄道模型があって列車が動いています。

 遠くから見ていると、「おーい、小松さーん」と呼ぶ声が。見ると、鉄道模型の回りにいる大人達は、よく知っている釧路臨港鉄道の会の皆さんではありませんか。

「なあんだ、臨鉄の会の皆さんがやっているんですか」
「そうですよ。それにしても市役所の人がこのイベントに来たのは初めてじゃないかなあ」

「さっき知ったばかりですけどね(笑)それにしても、これは楽しそうですね。見ている子供達の目も輝いているけど、やっている大人達の方が楽しそうに見えますよ」
「分かります?狭い家の中でこれだけレールを広げて動かすなんてできませんからね」


  
 四本の線路を広げて、そこにそれぞれ思い思いの列車を乗せて走らせていますが、お得意の石炭列車はもちろん、懐かしの急行「まりも」から、カシオペア、台湾を走る急行のセットがあるかと思えば、なんと花咲線を走るルパン列車まであります。


 【石炭列車そのもの、引いているのは本物の石炭】


「すごい!何でもあるんだ。それにしてもルパン列車なんて売っていないでしょう!?」
「まあ鉄道オタクの執念で、無ければ作りますから、『無いものは無い』んです(笑)。ルパン列車も映像データから印刷を起こして貼って作りましたよ」


 【ルパン列車まであるとは!】


「臨港鉄道なんてここにしかないから自慢出来ますね」
「見てください、これを作った人は石炭も本物の太平洋炭鉱の石炭を砕いた粉を樹脂で固めているんです。質感が違うでしょ?(笑)」

「小さな赤いテールランプもつくんですね」
「そうやって売っている車両もありますが、なければLEDと光ファイバーで作ります。本物より明るい、というので、ファイバーの断面にちょいと色を塗って明るさを落とすなんてことまでやります」
「うわ~」

 私もほとほと感心したのですが、すると溜まりに溜まったこだわりとウンチクは止まりません。

「車両の中の明かりもLEDだと蛍光灯のような光に見えますが、白熱電球の色味を出すためにアクリル板を使って黄色味を出しています」

「ウェザリングと言って、ちょっと汚れっぽい色を付けて使われた車両のイメージを出したりします」

「お金さえ出せば、本物の運転レバー感覚の操作盤もありますし、ブレーキの音や汽笛、踏切ではドップラー効果の音まで出すものだってありますよ。もっともこれに心底はまってどこまでも追究してしまったら、家が一軒建つくらいどんどんお金がかかりますけどね。鉄道ファンにも様々ありますが、『撮り鉄(鉄道写真ファン)』くらいが一番お金がかからなくて良いんです。模型はお金がかかりますよ~」


    ※    ※    ※    ※



 東京には大きなジオラマを作ってあって、そこに自分の自慢の列車を持っていって有料で走らせるなどというサービスもあるし、横浜には個人コレクションによる博物館もできたとか。

 確かにとんでもないこだわりの趣味世界を垣間見た気がしました…が、間近で鉄道模型を見る子供達の目は爛々と輝いていて、もう動く列車に触りたくて触りたくてうずうずしているのが分かります。


 【子供達の目が輝いている】

 おまけに、「あ!ルパン列車だ!」と感動と驚きがすぐ声になって発せられますが、その声を聞いてはニンマリしているのが楽しいのだと分かります。

「秋には博物館で特別展示をしますから是非その時も来てください」

 とんでもない道楽の世界を垣間見た一日となりました。

 鉄男(鉄道ファンのこと)、恐るべし!


 【駅へ向かう送迎列車はルパン列車。これはたまらん】
  
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釧路市事業仕分け

2012-07-22 23:45:12 | Weblog
 昨日今日と二日間にわたって開催された釧路市事業仕分けが無事終了しました。

 まずは釧路市が行っている全ての1,600事業を対象にして、この中から仕分け作業で議論することが妥当と判断されたものを絞り込み約450事業を抽出ました。
 
 平成22年から始まった事業仕分けでは、過去二年間に231事業のうち38事業について仕分け作業を行って頂きました。

 今年はその後終了した事業などを整理したうえで残りの対象事業193事業から24事業を選定し、二日間かけて議論して頂いたものです。

 仕分け作業は一事業あたり60分を割り当てて、事業の内容説明、質疑応答、そして評価と意見集約という形で行われ、仕分けの判定は、「現行どおり」、「見直し、改善」、「抜本的な見直し」の三種類で判定し、総合的な意見とされます。

 市としては、この結果を踏まえて事業のあり方を改めて検討・協議して、議会議論を経て最終的な事業執行の方向を決定して行くこととしています。

 行政としては誤りのないように、またできるだけ効率的・効果的な事業執行を目指していますが、これを市民目線で見た時にどのように感じられるかを知ることは大変参考になる機会であろうと考えるものです。


    ※    ※    ※    ※





 二日間にわたる事業仕分けの結果は、「抜本的見直し」がゼロ、「見直し、改善」が6事業、「現行どおり」が18事業となりました。

 国会が事業仕分けを始めた頃は、世間的にも大きく注目され
、官僚の既得権を暴く劇場型ショーのような趣がありましたが、釧路での事業仕分けを見る限り、市政に関心を持って応募してくださった仕分け人の皆さんと、建設的で前向きな意見交換ができていたと感じられます。

 素朴な質問があっても、それに答えることが事業の背景や考え方の説明に繋がっています。

 今回の仕分け人の皆さんは、5月15日の説明会以来、積極的に対象事業の施設を訪問して直接担当職員から事情を聞くなど熱心に仕分け作業に取り組んでいただきました。
 
 ただそれにしても、やはり一つ一つの事業には大きな背景と長年の経緯、法律や条令などの制約条件があって、そうしたもの全てを短時間で説明することの難しさを痛感します。

「なぜ災害時に市民の避難意識は向上しないのか?」と面と向かって訊かれてもなかなか答えに窮します。

 ただそうした観点に市民の皆さんからも大きな期待があるということが改めて分かりましたし、意見の中には、「予算を増やしてでもこの事業を充実させて欲しい」という積極的なものもありました。

 ただただ経費削減のためではなく、真剣に市政に向き合っていただくと、足りない部分も見えてくることでしょう。

 いただいたご意見に対しては、十分に議論を尽くして、来年度予算編成などの機会を通じて真摯に対応して行くこととしたいと思います。

 仕分け人とコーディネーターの皆さんには、二ヶ月間にわたる仕分け作業へのご参加とご協力、誠にありがとうございました。


    ※    ※    ※    ※


 ところで余談ですが、昨年に引き続いて今年も事業仕分けの模様はUstreamを使ってネット配信を行いました。

 私も自宅で見ていましたが、昨年に比べても格段に音声の品質が向上していて、ストレスはありませんでした。

 映像配信と共に、ツイッターのようにコメントを書き入れる機能もあったのですが、それらの情報提供はやや散発。傍聴人などによるギャラリー参加などはまだ改善の余地があるようです。

 また、今回の事業仕分けがUstreamのトップページで紹介されたことから、釧路市民以外の人たちが関心を持ってアクセスしてきたようで、昨日は視聴者総数が438人だったのに対して、今日は8,699人に上りました。

 ネットの世界に火がつくと、数字は大きくぶれるという事象も目の当たりにしました。

 事業の見える化を今後どうして行くか、も今後の課題です。

 引き続きいろいろな挑戦をして行く必要があると思います。 
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