河川防災ステーションは、出水時には水防活動の拠点として、また地震時には支援活動の拠点や、物資輸送基地として機能する災害時における緊急対応の前線基地として活躍する拠点施設です。
整備は、地方自治体と国が、それぞれの役割に合わせて行われますが、その中の一つが、北広島市千歳川河川防災ステーションです。
ここは、平成17年度から平成18年度にかけて、国と北広島市(市からの受託工事)が一体となって整備をしました。
平成19年4月に国と北広島市との間で維持管理協定が結ばれ、供用開始されています。
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この敷地内に昨年設置されて、今年から運用が始まろうとしているのがX線の波長を使って、降雨の状況を把握するレーダーの「Xバンドレーダー(通称XRAIN=エックスレイン)」で、今日はその施設を見学してきました。
降雨の状況を直接捕える降雨レーダーは、これまでCバンドと呼ばれる波長6センチほどの電波で観測されていたのですが、今回はこれを波長3センチのXバンド電波を送ることでより細かいデータが得られるものを整備しました。
【Cバンドだとこんな風なのが】
【Xバンドだとこんなに詳しくなる】
既に国内では各地に配備されてきたのですが、北海道では今回北広島市に初めて設置され、今年から来年にかけて、石狩市の石狩川河畔にも設置される予定です。
今回のXRAINが優れたところは、一度に縦波と横波を同時に発することができて、それぞれの跳ね返りの様子から雨粒の大きさを観測できるというのです。
雨粒は、つぶが小さいうちは表面張力で球体をしているのですが、これが大雨で粒が大きくなると空気の抵抗でアンパンのようにつぶれた形となって落ちてきます。
この粒の形の変化を縦波と横波の反射波の違いで捕えることができて、そのことで振っている雨の強度をかなり正確にとらえることができるのです。
もちろん反射波は小さくなりますが雪も観測することができるそうですよ。
こうした観測ための武器をより強力なものにして、私たちの社会は災害に備え、戦っているのです。
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地球の温暖化が進んだためか、降る雨の強度がかつてよりも大暴れするようになりました。
降ればどしゃ降りになるし、降らないとなると旱魃という傾向が顕著になっています。
改めて防災意識をしっかりと高めたいですね。
なお、XRAINのデータは、こちらで見ることができますよ。北海道からのデータ提供はもう少しい待ちください。
【XRAIN】→ http://www.river.go.jp/xbandradar/