ある議員と話をする機会がありました。
その際に言われたことは、「ある勉強会で、石油大手元売りの方の話を聞いたのですが、電気自動車が普及してガソリン消費が減ることで、町の中からどんどんガソリンスタンドが消えています。これでは大規模な災害が発生して、電気の供給が止まった時に社会が機能しなくなるのではないか、という危惧がありますよ」というもの。
実際にまち中でもガソリンスタンドは数を減らしています。
去る4月3日の読売新聞には、「襟裳岬に会ったガソリンスタンドが無くなり、広尾からは50kmもスタンドがなく、襟裳岬の昆布猟師は磯舟の燃料を包んで15分ほど離れた町の中心部まで買い求めに走らなければならなくなった」という報道がありました。
同記事の中では、「かつて『えりも砂漠』と呼ばれたえりも国有林緑化が始まってから今年は60年目で観光客も増加が予想される中で注意喚起やPRが足りないのではないか、と心配されている」とありました。 → http://bit.ly/ZTAw3E
ところがこうしたガソリンスタンドが足りない状況のことを『ガソリンスタンド砂漠』という言い方もあるようで、まさに車社会の中で、ガソリンスタンドが見つからないという状況は憂うべき状況といえるでしょう。
そもそも経済性・効率性の大小の一方で、備蓄の可能な液体燃料と、作り続けなければ供給できない電気エネルギーという性質の違いも加味したエネルギー政策が必要ですし、一人一人の消費者としても、経済性だけではなく、リスク管理という側面を考えたいものです。
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こうしたことは、まさに災害時に弱さとして露呈します。
国土交通省では、緊急災害対策派遣隊(TECーFORCE)という形で、大規模自然災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、被災地方公共団体等に対して、円滑かつ迅速に災害対応の支援を実施する制度があります。
先の東日本大震災に対しても、北海道開発局からはわが機械課からも電気通信機材の派遣や災害対策車などを派遣しました。
そしてその際に分かったことの一つとして、被災地では大型車両が救援に行くので、軽油は割と調達しやすいのですが、ガソリンが不足しがちだということ。
これはガソリンが揮発性が高くて扱いが難しいこともあるのですが、大型車両ではディーゼル車が多く、軽油はわりと扱いやすいという事もあると思います。
我々も何台かの車両や待機支援車を送り込みましたが、そうした救援車両についてはディーゼル車にした方が良いのではないか、という意見がありました。
同じ液体エネルギーでも、ガソリンと軽油の性質の違いもいざというときには便利・不便という形で跳ね返ってくるものです。
私たち一人一人も、便利とリスクのバランスを取った暮らしをデザインしなくてはいけませんね。