昨日の自転車セミナーでは、セミナー後の懇親会を北大博物館で夜10時まで開かれている、"ミュージアムカフェぽらす"で開催しました。
ここは昨年7月にオープンしたカフェで、私が在学していた40年前には理学部だった建物で、北大博物館がリニューアルオープンしたときから展開している、北大で唯一お酒の飲めるカフェです。
博物館自体は17時までの開館ですが、カフェは平日は22時、土・日は18時まで開いており、内外の来訪者の交流の場となっています。私もいつか来たいと思っていながらなかなか機会がなかったのですが、この日の懇親会で来られたのでとても嬉しくなりました。
我々が博物館についたのは夜6時前ですが、レンガ造りの建物はライトアップされていて、なかなか魅力的。夜の北大も面白いですね。
玄関から入ってすぐの右側にカフェはあって、お酒などを出すカウンターもあるし、座って語り合うテーブルとイスもあります。
我々は別室で机を集めて、輪になってさらに自転車について語り合いました。セミナーは懇親会にこそ真の面白さがありますね。
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やがて、カフェを運営管理している、特定非営利法人「手と手」の浅野目さん、通称ママさんがやってきてくれて、ここでのカフェの経営の裏話をいろいろと教えてくれました。
ママ曰く、「夜遅くまで営業しているので、いろいろな学部の方がそれぞれの教室を飛び出して、ここでお酒を飲みながら論文の指導をしたり、ディスカッションしたりしているんです。それに、いろいろな学部の方たちが集まります。こういう拠点がなければ、皆さん自分たちの学部の中だけの交流しかないところですが、いろいろな学部の方たちがここに集まるので、例えば文学部と農学部とか、そんな学部を超えた交流が始まるので、見ていてもとても面白いんですよ」
こういう全学を対象とした交流の拠点になっているというのは面白いですね。我々が学生の時も、こういうのがあったらよかったのになあ。
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ママが突然、「そうだ!先日ここで、日本昆虫学会の人たちの集まりがあったんです。そのときに皆さんが持ち寄ってきたものの余りがあるので持って来ましょう!」と言い出しました。
そうして持ってきたものは…。
「これ、食べられる虫なんです。昆虫学会の皆さんが持ってきて、食べてたものが余ったのでもらっちゃいました」
「む…、む、虫…」
「全然平気ですよ。変な味はしないし」
しかし見ていても虫のようだ、とはわかるものの、一体何の虫なのかは良くわかりません。しかしまあ死にはしないかなあ。
私の横にいた女性は、「きゃー!絶対ダメ!」と強い拒否反応を示しましたが、ここでひるんでは男が廃る。意を決して、「うっ、それじゃあいただきます!」と一匹を口に入れてみました。
すると…、んー、カサカサして甲殻類系であることが分かりますし、なんだか乾いたナッツのような感じ。案外次々口に入れることができました。
私と一緒に食べた方も、「乾いたエビみたいなものですね」と感想を述べて割とパクパク食べています。
するとママさんが、「こういうのもあるんですよ」と取り出したのは、タイ語らしき文字の書かれたパッケージ。ちょっとどろりとした緑色のペーストが出てきました。
「これなんだかわかります?」
「いいえ、わかんない。今度はいったい何なんですか…?」
「これはね…カメムシのペーストなんですよ」
「カ、カメムシー!」
秋口に越冬のために窓枠などにごそっと集まって、嫌なにおいを発するカメムシを思い出すと、とても無理そうな感じ。
「でもね、辛口のディップみたいな感じなんですよ」とママさんは全然平気そう。
ここまできたら、エイママよ! 一かけらを手にもらって口に放り込みました。
「どうですかーー?」周りも興味津々、半分ドン引きで訊いてきますが…。
「あ゛ーーー、辛い!しかも独特の風味があるーー!」
タイの食べ物だけあって、辛い香辛料がたっぷり使ってあって、少量でもピリ辛。そして言いようのない風味があとからじんわりと口の中を覆いますが、必ずしも記憶の中にあるカメムシの匂いとも違います。
決して美味しい、と感じるものではありませんが、ペーストとしてパンやクラッカーにつけて食べるんだったら、エスニックなディップという感じで食べられるかもしれません。不快と言ってもそんな程度のものです。
面白いような気持ちが悪いような、とんだ出会いとなりましたが、つまりは、こういった思いもかけない者同士が会えて交流ができて、そこに予想だにしない化学反応が起きる可能性があるというのがこのカフェだ、ということがよくわかりました。
「ナイトミュージアム」なんて映画もありましたが、夜の博物館のカフェにも不思議な出会いがあるかもしれません。
あー、まさかカメムシを食べるとは、なんとも異空間でした(笑)