北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

居酒屋のルール ~ 思い出した掛川の風景

2017-11-07 23:44:32 | Weblog

 

 夕方の新幹線で掛川入り。今年春の自転車ツアー以来の掛川訪問です。

 早速駅前の居酒屋で歓迎をしてくれて、掛川市役所の職員の皆さんをはじめ、いろいろな人たちが集まってくれました。

 駅のあたりを歩いていて、思いのほか新しいお店、それも小洒落た飲食店が増えていることに気が付きました。

(夜だったら人通りも多いのかな)と、ちょっと嬉しくなりましたが、馴染みのお店というような感じではないので、ちょっと都会的な感じもします。

 我々の集合場所は、と言えば、居酒屋「S」と決まっています。

 ここはこの地域の人たちの息抜きの場であり、情報交換の場でありかつ互いの無事を喜びあうような、そんな機能が混在した独特の空間。

 ここでは一見(いちげん)さんが店に入って、(あ、席が空いている)と思っても、勝手にそこに座ってはいけません。

 なぜなら、5分後にその席に座る常連さんが来るかもしれないから。

 そんなところに知らない客が素知らぬ顔で座っているというのは、周りの客にとっても居心地が悪かったりするので、お店の方に座っても良いかどうかを聞きましょう。

 そして知り合いにあったら必ず声をかけられるし、声をかけること。

「義さん、お久しぶり、お邪魔してます」
「お、コマっちゃん、また来ただな」ってな感じ。

 こういう日常が穏やかに過ぎてゆくのが地域の居酒屋です。

 
    ◆


 ところが今日は、ちょっと雰囲気の異なる若い一団が一角で楽しそうに飲んでいます。

 しまいには若いイケメンのお兄ちゃんがもろ肌脱いでかっこいい肉体を見せ始めました。

(おー、ここの居酒屋も客相が変わったなあ)と思っていたら、二次会でここの常連が「あれ、さっきの一団ですが、先代のご主人だったら追い出してたんじゃないかなあ」と言います。

 とてもかわいがってくれた先代のご主人は既に亡くなっていて、息子さんが継いでいるのです。

「やっぱりそう?客相が変わったなあ、と思ったけれど」
「いやあ、あれは駄目でしょう。チェーン店の飲み屋と勘違いしていますよ」


 私がいたときは、そういったこの場所でのルールや振る舞い方を教えてくれる周りの人たちがいましたが、そういうことを伝える人もいなくなりましたかね。

 まあそれが都会化する、ということなのかもしれないね。

 しかしかつての仲間たちと愉快に話をしていて気が付いたのは、僕の記憶の中にある掛川は、十五年前の思い出がそのまま冷凍保存されているイメージだということでした。

 かつて若かった人たちも歳を重ね、常連さんも消えてゆく。

 古き良き思い出の中に生きる僕と、日々変わってゆく今を泳ぎ続けている現地の人たち。

 今の掛川を生きている人たちの思いと、僕の記憶にはきっとたくさんのギャップもあるに違いありません。  

「そういえば昔はねえ…」というのは年寄りの繰り言になってしまいそうです。

 過去を踏まえつつも、未来志向の考えを示す方が建設的ですね。
 
 まあでもやっぱり懐かしい友がここにいる。心の故郷があるって良いものです。

 二次会では羽目をはずしました。来てくれた皆さん、ありがとう!


 

コメント
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