北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ミシュランガイドの店は地方にこそ行くべき

2018-01-29 23:42:19 | Weblog

 

 「北海道の地域とみちをつなぐネットワーク連携会議」の総会に出席。

 総会の後で、元北大教授で今は(一社)地域研究工房代理理事の小磯修二先生による講演がありました。

 今日のお話は「北海道の形とみちの役割」というテーマでしたが、「高速道路は国造りの哲学だ」と言う言葉が印象的でした。

「ドイツでは人口8千万人に対して高速道路は13,000㎞。これをヒトラーの政策だ、と言う人もいますが、そんなことではなく、連邦制国家で成り立つドイツの国内をどのように地域連携するか、という国家戦略があっての話です」

「その逆と言えるような中央集権が強いのがフランスです。割と首都であるパリの近くに集中されている。だから地方がやや弱いところがあって、それを補うためには地方を振興しなくてはならない」

「ミシュランというのは、ミシュランガイドを作っている会社ですが、その本業はタイヤメーカーです。タイヤを売るためには車にたくさん乗ってもらう必要があって、そのためには『地方にはこんなに素敵なレストランがありますよ』ということを宣伝して、多くの人に地方に移動してもらうことを考えた。
 だから、パリとかその周辺にはあまり多くの星付きのレストランがなくて、逆に地方には多くの星付きレストランがある。つまりこれは地方振興の手段なんです」

 単に美味しいレストランを紹介するとなると、東京や札幌に星付きレストランが集中しやすくなってしまいます。

 でも単に美味しいレストランを紹介するのではなく、「地方にこそ行くべき場所がある」ということを紹介するのがミシュランガイドの本当の意味なのだと。

 小磯先生はこの話のほかにも地方創生に関連して、「日本で一番出生率の低いのが東京なのに、日本の大学生の26%が首都圏にある。大学が首都にあるべき理由などなにもないのに、そうしたことを変えようとしない。つまり地方の若い女性を吸い上げてしまうのが今の大学のシステムになっていて、こういうことを放っておいて、地方に若者が定着させることを地方に任せてしまっているというのは、国として国造りの哲学がどういうことになっているのかが問われるという事だと思う」とも話されました。

 国造りのなかで、道路を作るとはどういう意味なのか。

 単に経済効果のあるなしを基準にして良いのか。

 道路を作る、道路をつなぐ哲学って何なのか、もう一度考えてみたいものです。

コメント
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