北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

資産は定期的に管理をしなくては ~ 新年交礼会で考えたこと

2018-01-04 23:15:01 | Weblog

 今日から仕事始め。

 気持ちを新たにして、仕事では道路の舗装の重要性を多くの人たちと共有できるような活動を進めようと思います。

 初日の仕事は、新年交礼会のハシゴ。この時期はいろいろな交礼会が重なりますが、まあ上手に時間帯をずらしてくれるので、ハシゴが可能です。

 そしてこれに出ると、なかなか会えない方とも一気に会って様々なお話が聞けるのでとても深い時間が過ぎてゆきます。

 昔一緒にいろいろな活動をした方と会いました。その方は、僕が造園を先行した技術屋だという事を知っているのですが、「でも、今地方公共団体だったら、造園の技術屋さんなんてほとんどいないのじゃないですか?」と心配そうに聞いて来ます。

「きっともうほとんどいないのじゃないでしょうか。もう公園をたくさん作れる時代ではありませんしね」
「公園も管理の時代になったと思いますが、それも土木の技術者がやっているのでしょうか」

「土木屋さんがやってくれていればまだマシで、小さな市町村になるともう事務職の方がやっているなんてこともあると思います」
「それって、造園技術者ならではの技術論とか管理の哲学なんてものが受け継がれるのでしょうか」

「難しいと思います。と言うよりも、かつて経済が拡大を続けた時には、いろいろなものが足りなくなるという不安だとか、語るテーマが増えて行った時代でした。ところが、人口減少局面で地方の役場も予算が苦しくなり職員が少なくなった今日、拡大して複雑化したテーマは少ない人数ではそれを継承しきれずに、どんどん単純化されて撤退をし始めているように感じます」
「それって簡単に言いますが、公園に限らず、多くの土木資産などの今後の建設や管理を考えると、大きな問題ですね」

「そう思います。時に維持管理をするということは、短期間にやってしまえばよいというものではなくて、人材の育成や技術の承継、必要な道具や材料の調達なども含めると、"安定的に仕事がある"という状態がとても大切です。もっとも良い例は、伊勢神宮の式年遷宮です。これは20年に一度、隣の敷地にお宮を立て替えるということをずっと続けていますよね。この安定的なしきたりこそが大切なんだと思います」


 私が一番心配しているのは、原子力発電所です。新しいものが作られないという事は、原子力に関する技術者が少なくなり、国力としての原子力を取り巻く技術力が低下するのではないか、と思うのです。

 「そんな技術はいらない」という声も聞こえそうですが、ではもうすぐ始まる廃炉のための技術力はどのようにして整えられて維持されてゆくのでしょう。

 目先の見たくない問題だとしても、目をつぶるわけにいかないことを誰かが継承していかなくてはならないのです。

 これからの時代に、先人が作ってきた資産を正しく管理し作り替えるための、人材育成、技術力継承、材料の調達などの必要性をしっかりと果たすことが後世への責任です。そして土木インフラはその中でも非常に多くの財産があるのだと思います。

 今日はいろいろなことを考えさせられて、インスパイアされる良い時間でした。

 今年も頑張ろうという気持ちになりました。

 

コメント
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