大学時代の同期が東京から札幌へ遊びに来る、というので札幌と十勝にいる友人たちが集まりました。
近況を報告しあったり、昔の話題に花が咲いて気持ちは青春時代に戻ります。
農学部出身の我々としては、農業や食品関連に就職した人が多く、それぞれのもっている問題意識を語り合うと、かなりレベルの高い話が聞けるものです。
東京の友人は食材のレシピづくりの仕事をしていて、集まった仲間の一人は十勝でジャガイモ関連の仕事をしています。
東京の友人は、新しい食品を作るときの苦労として、「食材のカスが欲しいんだ」と言います。
「カス?なんで?」
「野菜ジュースを作った後の搾りかすってあるじゃない。あのカスを使うと、サラサラのスープにとろりとしたとろみをつけることができる。ところが、JAやホクレンのような農業団体に聞いてみても、そういうことに全く興味を持ってくれない。お金を払って捨ていている搾りかすを、こちらはお金を出して売ってくれ、と言っているのに、皆『管理ができない』とか『今のスタイルで良い』とか言って、まったくとりあってくれないんだよ」
「そういうカスを売っている事例ってどこにもないの?」
「リンゴジュースの搾りかすだけは、リンゴパルプといって売っているところがある。でも北海道ならニンジンの皮とかジャガイモの皮なんかが大量に出るだろうに、どこへいっても相手にされないんだよね。邪魔で捨てているものに価値をつけるというのは、これからの時代が求めていることだとおもうんだけどな」
無駄な支出が収入になるなんて、良い話のようですが、話を聞くほどに、農業関連団体のお役所体質のように感じられてしまいます。
向こうには向こうなりの理屈があるのかもしれませんがどうなのでしょうか。
道産食材の可能性をもっと探って欲しいものです。