北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

合わないときは何をやってもダメ ~ マッチ・ザ・ハッチ

2018-06-09 23:55:55 | Weblog

 

 今日と明日で参加するフライフィッシングスクールは、ただ魚を釣る技術を学ぶスクールではありません。

 著名なフライフィッシャーが結構なお値段でファンを集めるような企画もあるなかで、こちらのスクールは、まあ仲間内と言うこともありますが、『フライフィッシングについて哲学から技術までを学び、人生を豊かにしよう』というコンセプトのスクール。

 開催地は更別村にあるANDOORという施設で、都会や他の地域の人たちが更別を拠点に十勝、北海道を知り楽しんでもらうようなことになればなおうれしい、という理想を掲げいます。

 今回の受講生は、8人でうち女性が6名、男性が私を含めて2名。フライフィッシングは全く初めてという人もいるし、私を含めて少しはやったことがあるという程度の人までが集まりました。

 初めに、このスクールの校長である辺境カメラマンこと残間正之さんから『フライフィッシングで世界を歩く』という講話がありました。

 残間さん曰く、「世界を旅する時に、フライロッドをコンパクトに持ち運ぶロッドケースを片手に、宿泊先でパブにでも行ってごらんなさい。ロッドケースに気が付いた周りの客の中には必ず『なんだ、お前はフライフィッシングをするのか?』と話しかけてくるおやじが必ずいます。そういう人と釣り談義をして、『気に入った、今から俺の家へ来い』と言われることはしょっちゅうあるし、そういうおやじについて行ってひどい目にあうことはまずない」と。

 さらに「釣りというのは、釣りをしている時間を楽しむのであって、釣果を競ったりするものではない。大体、登山で山頂へ登れるときは自分が頑張ったというよりも『山が登ってきてもいいよ』と言ってくれたようなもので、釣りも釣れるときは魚が『仕方がない、かかってやるか』というくらいの気持ちを感じるものです。
 『なんとしても釣ってやる』と殺気を放っているようなときはまず釣れないもの。そう理解することがフライフィッシングの哲学なんです」とも。

 釣り人は哲学者になるのです。


    ◆


 講話ののち、早速素人ばかりなのにも関わらず、タイイングというフライフィッシングに使うフライ(=疑似餌)を巻く作業体験。

 一人に一人ずつ講師がついて、マンツーマンで丁寧にフライ作りを体験しました。

 

 昼食の後は、実際にフライロッドをもって、キャストの練習をした後に、雨の中、魚のいる川の風景をみようと、近くの農業用水路のたまりを見学に。

 すると気温もそれほど高くないにも拘わらず、魚が水面近くの虫を食べる"ライズ"が見られたではありませんか。

 そこここで、魚が水面に姿を現していて、釣りも川を見るのも初めてという人たちは大喜び。

 そこで優秀なコーチを代表して置戸町から来たFさんが、下流に入って蒸留めがけてフライをキャストし始めました。

 かなりキャストを繰り返したのですが、魚たちはおそれをなしたか食いつくどころか姿を現さなくなりました。

「最後の手段」として、今この瞬間空中を飛んでいる虫に似せた小さなフライに替えてキャストをしてみると、なんと一発でセンチクラスのニジマスがフライに食いついてきて、魚を釣り上げました。

 さすがはFコーチ!とばかりに、じっと見守っていた我々ギャラリーからは、ヤンヤの拍手が送られたことは言うまでもありません。

 残間校長からは「あれがマッチ・ザ・ハッチと言って、今魚がまさに食べている餌の虫に似ているフライを見つけてそれをつけると魚がかかるんです」とコーチのパフォーマンスを褒めてくれました。

 受講者一同大いに盛り上がって、夕食会の後も「もう少しフライを巻きたい」と自主練習を申し出て、夜遅くまで明日のためのフライを巻いたのでありました。

 明日は少し気温も上がって、楽しい釣りの場面が見られるのではないかと期待も膨らみます。

 今年の受講生はやる気十分です。

 

 

 

 

 

 

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