年末には、いろいろ頼まれて年越し蕎麦を打つことになりますが、ここにきて蕎麦汁を作るための「返し」がなくなってしまいました。
「返し」とは、醤油とみりんとザラメ砂糖をまぜたもので、これに出汁を加えることで、冷たい蕎麦のつけ汁や温かい蕎麦のかけ汁ができあがるのです。
返しの原材料は、上記のように醤油とみりんとザラメ砂糖なのですが、これが、材料を混ぜてすぐの状態と、長く置いて熟成をかけたものでは、材料も分量も同じなのに味が変わってきます。
作ってすぐの時は、醤油とみりんと砂糖のそれぞれの味が独立して感じられるのに対して、時間が経つと、それぞれが混然一体として、全体として「返しの味」が感じられるようになるのです。
今回は、色の薄い「薄口しょうゆ」も買ってきて、色の薄い返しも作りました。
実は、濃い口醤油の返しで作った蕎麦汁はた色が黒くて、かけ蕎麦などに合わせるとその色味からしょっぱく感じてしまいます。
そこで、温かいかけ蕎麦に合った返しを作るために、「薄口醤油」を使うのが良いとされています。
これで温かい蕎麦用の汁も作れるようになりました。
出汁には、鰹節の「本枯れ節」と、宗田ガツオによる鰹節、それらに加えて今回は、「トビウオ」による飛魚出汁(あごだし)作りを狙います。
また一つ、年越しが近くなった思いです。