ある会合で工学系の大学の先生に会って、そのまま忘年会に突入。
最近の学生気質についていろいろと伺いました。
「先生、最近の学生は、就職するときには給料よりも休日・休暇を求め、現場仕事や営業は嫌い、というイメージなんですが、なんとかなりませんか?」
するとその先生は、「ええ?そうかなあ。実は今年の推薦入学の面接が終わったところなんだけど、今年はうちの大学の推薦希望者が例年の3~4倍と多いんですよ。で、多くの若者が『世のため人のためになりたい』って言うんだって」
「へえ、そんなに人のためになりたいという若者が多いってどういうことでしょうか」
「僕はねえ、やっぱり災害が多かったからじゃないかと思うんです。多くの災害被害を見て、うちの大学で工学を勉強して土木とか技術を学んで社会に貢献したいという人が多くなったんじゃないか、と。あくまでも僕の感覚だけどね」
そんな考えの若者が本当に増えたのだとしたらありがたいことです。
しかしそれにしても若者の数そのものは増えないので、人手不足対策は別途に行わなくてはいけませんね。
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面白かったのは、その先生の授業風景です。真面目な生徒ってどれくらいいるんでしょうか。
「先生、今の学生は真面目に授業を聞いてくれて、理解してくれていますか?」
「そうねえ、僕の講義は大体50人くらいが受講しているけど、本当に内容を理解しているのは1割かな。でも面白いのは、一番前に座る学生がいるけど、今はそういう学生は勉強ができないんだ(笑)」
「ええ?一番真面目で勉強する意欲もあるから一番前に座るんじゃないんですか?」
「それが違うんだよ」
「じゃあ彼らはなぜ一番前に座るんですか?」
「多分、それまでもずっと一番前に座っていたから、だと思うよ。だって質問をそういう子たちにぶつけても誰もわからないんだもん(笑)」
「ははあ、じゃあ勉強のできる子はどこに座っているんですか?」
「あのね、一番後ろに座っている子はやっぱり駄目なんだな。で、できる子は一番後ろから少し前くらいに座っていて、僕の講義を聞いていて、ポイントではちゃんとうなずいているからわかるんだよ」
「じゃあ質問を当てるときはその子に当てれば良いんですね」
「でも、すぐにその子に当ててもダメ。まずは答えられない子に何人か当てて、間違いのパターンを出し尽くしてから、ようやくわかっている子に当てて正解を出させるようにしてるんです。なかなか大変なんだよ(笑)」
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先生は、「昔は僕が講義で教えたら、分かっている子が周りのわかっていない子に教えて、知識がふわっと広がったものなんだけど、最近は、その分かっている子が授業が終わったらすぐに教室から帰っちゃうから知識が広がらないように感じているんです」とも。
「だから、今はできる子たちに、『少し周りの子たちにも教えてあげるんだよ』と伝えています。そう言えば、彼らはちゃんとやるんだよね、これが」
でもこちらの大学では、最近は大手から中堅のゼネコンにしっかりと学生を送り込んでいるとのことです。
さあ、ここで育った多くの学生さんには舗装の世界にも来てほしいものです。
がんばれ若者!