北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

車とドライブと思い出づくり ~ 多すぎる思い出はどうなる?

2020-12-07 23:54:41 | Weblog

 

 先日ある大学の先生と話をしていたら、その先生は大の車好きだということがわかりました。

 私よりも少し若いくらいのほぼ同世代と言ってよい方ですが、口をついて出てくる車の名前の豊富さにびっくり。

 さらに、「僕はF1も好きでしてね。鈴鹿サーキットにも何度も行きましたよ。鈴木亜久里が3位に入ったときは泣けました」とカーレースにまで興味があるとは筋金入りです。

 ところでそんな先生の大学は郊外にあって、構内に車での通学が認められています。

「でもね、駐車場の空きが最近は増えてきました。それに駐車している車も軽自動車が多いんです。まあそれが今の若者気質かもしれませんが、免許も取らないという子も増えているのは車好きとしては残念ですよ」

「車を持たない学生さんたちはどうやって通っているんですか?」
「もちろん電車とバスの公共交通もいますし、最近は自転車が増えましたね」

「車で女子学生を誘うなんてしないんですかね」
「そこが謎なんですよ。女子学生も子供のころからご家庭の車に乗っているから車に乗ることがそれほど魅力じゃないのかなあ」

 お互いに好き同士だったらドライブなんて最高に楽しい時間と空間のような気がしますが、そこに至る過程のなかで車はもう魅力的じゃないのでしょうか。


    ◆


 我が家では親は若い時には車の免許も、もちろん車も持っていなかったので、我が家の生活に車が入ってきたのは、私が大学時代に免許を取って安い中古のカローラを買ってからのこと。

 私が二十歳で1978年のことです。

 そこからはずっと車とともにある生活で、ずいぶん足を延ばしたものですが、その分思い出の数が増えすぎて行った先の印象が薄くなっているということはないでしょうか。

 妻も同じ世代なので、家庭に車が入ったのは義兄が車を買ってからだとのこと。

「じゃあ車なんてない頃の親との思い出って何だい?」と訊くと妻は「職場の福利厚生で親に連れられて行った名寄のスキー場かな」。

「なるほど、僕は中学の同級生とバスで行った海水浴かな。車がなくてキャンプなんて行ったことがなかったからなあ」


 そんな会話をしているところにちょうど娘がやってきました。

 我が家は次女が生まれたころからキャンプを始めたのですが、長女はどこまで覚えているでしょう。

「ねえ、君が印象に残っているキャンプ場ってどこだい?」
「うーん、キャンプへ行ったことは覚えているけど、『どこ?』と訊かれると場所までは答えられない」

 親の方は「ここにも行ったし、あそこにも連れて行ったんだよ」と覚えているものの、幼い子供達にとっては遠い記憶のかなたです。

「写真を見たらどこかわかるかな」

 そういって昔のキャンプの写真を何枚か見比べてみましたが、なんと我が家ではアウトドア道具やウェアを長年買い換えていなかったので、どの写真を見ても同じ道具と同じ服を着ている写真ばかり。

「ウェアや道具もある程度買い換えて写真に残しておかないといつのことなのかが印象に残らないものだね(笑)」

 車を持ってから広がった行動範囲ですが、思い出づくりを一つずつ強く意識しておけばよかったなあ、と今頃になって思うのでした。

 車に関心のない若者はどうするのかなあ。

コメント
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