北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「芋こじ」で気づくこと

2022-10-13 23:21:25 | Weblog

 

 来週今年最後の研修講師の一コマがあります。

 今回のテーマは「人材育成」ということで、若い人たち16名が参加しての研修です。

 昨年も同じようなテーマで一コマをもったのですが、今年は昨年と趣向を変えた形でやろうと思います。

 それは①心を打つ文章を読んでもらい、②相互に意見交換をする、というやり方。

 それぞれ、文章の出どころや背景についての説明を軽くしてからの意見交換で、文章は先に渡して読んでおいてもらおうと思います。

 全部で90分のコマなので、二つくらいのカテゴリーでそれぞれ4編のお話を読んでもらい、感想を言い合うことで互いに気が付くことが多く、そこで相互にインスピレーションが沸くことを期待します。

 二つのカテゴリーのうち後半には二宮尊徳所縁の「二宮翁夜話」からの文章を用意しました。

 「二宮翁夜話」は、尊徳先生の高弟であった福住正兄(ふくずみまさえ)が尊徳先生と過ごした4年間に書き記した語録から選んだ書物です。

 尊徳先生の考えや思想などが平易な文章で語られていて、尊徳先生の報徳思想とは何かを理解するうえで格好の一書です。

 またさらに相互に語り合うことでお互いに高めあう手法は現在は「ワークショップ」などという言い方をします。

 自分ではない他人から自分には思いつかないような話を聞いて、知識や意識を高めるという手法ですね。

 二宮尊徳の報徳仕法(やり方)では同じように村民が皆で語り合うことをやっていて、それを「芋こじ」と言いました。

 ここでの芋とは里芋のことで、里芋を樽に入れて水を入れ棒きれでぐるぐるかき回すと芋についた泥や汚れが芋同士こすれあって取れるということを「芋こじ」と言ったのです。

 誰か上の人から言われて勉強になるということもありますが、人間は真に納得したこと以外は行動に移せないものです。

 同等の者同士がお互いに意見をぶつけ合うことでより理解や納得が深まり、一人ひとりの意識が向上することが期待されるというわけです。

 尊徳先生の熱い文章とそれをめぐるやり取りで受講生の心が開かれるでしょうか。

  

 

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