天気にも恵まれて試験施工は無事終了。
車道にある橋の段差を解消する新しい材料を使った施工ができました。
昨年も同じような形で段差解消の施工を別なところで行ったのですが、そのときは材料が非常に硬くなる素材でした。
北海道のような積雪寒冷地では、固くなる素材は春先に水が凍って持ち上がったり、融けてまた下がるという動きによって壊れやすいという弱点があります。
昨年もその例にもれず、やはり一冬越すうちに端部の方から壊れてしまい、厳しい結果になりました。
今回は昨年の素材をさらに改良して、少しは柔らかさを保つようなものになっています。
今後も定期的にフォローアップをしてゆきましょう。
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今回の試験施工会場には、北海道の舗装の大家である大学教授もK先生も視察に来てくださいました。
そこでよもやま話をしているうちに、段差解消とはまた別な舗装の課題が話題になりました。
それは「横断クラック」と呼ばれるもので、道路に横方向に舗装が筋状に割れる現象のこと。
これは冬期に気温が下がることで舗装のアスファルトが収縮することで、舗装が引っ張りに耐えきれずに割れてしまう現象なのです。
郊外部の道路を走ると、そうした割れ目が一定の幅でできてしまい、まるで自動車が線路を走っているかのようにカタンカタンと振動が来ます。
舗装は寒い時期に一度割れてしまうと暖かくなっても戻ることがないので、その割れ目から水が入って舗装の下に浸みてゆきます。
今までもそれによって舗装が痛んで、その割れ目が広がったり舗装がへこんだりすることが分かっていました。
それをK先生は「今回、割れ目から下がどんなふうに傷んでいるのかを見てみようと、実際に道路を掘ってその下を見てみたんです」とのこと。
すると「細い割れ目でもそこから水が入るとその下で水が凍結誘拐して舗装が粉々になって土砂化していることが改めてよくわかりました。その痛みも、真っすぐ下にではなくて、下がるほど横に広がっていくんですね。なので、舗装の割れ目を早い段階で修繕して水が入らないようにすることは大事だな、と思うので、お宅の会社もそういう修繕素材を作ってほしいですね」とのこと。
舗装の横断クラックは、北海道の道路の構造的な問題で、これを修繕するとなると膨大な費用がかかることでしょう。
それを少しでも軽減できるような素材と施工性の改善が将来の道路管理の大きな課題である、とのこと。
また新たな課題に向けて業界が頑張らないといけないようです。
施設の維持管理は将来の我が国の大きな課題です。