地方都市で除雪事業について話を聞くと、将来が心配になる話がたくさん聞かれます。
その心配事の代表が「除雪をしてくれる人がいなくなる」ということ。
除雪のためには除雪の機械を動かすオペレーターが必要ですが、高齢化によって働いてくれる人が減り、また若いオペレーターの数は期待通りには増えてくれません。
そのため機械を動かせる人が年々少なくなってしまい、除雪のエリアを割り当てられる人が少なくなります。
昨日「予算をちゃんとみないと人が集まらない」と書きましたが、たとえ予算を多くつけたとしても地域の中で働く人がいなくなるということばかりはどうしようもありません。
これを補うには、介護や除雪などの担い手が少なくなる分を、やれる人が少しずつ働ける時間を提供して作業を仕上げる「タイムシェアリング」でやってのけることができないでしょうか。
一人が8時間働いてこなす分の仕事を、それができる人4人が2時間ずつ時間を提供するという形です。
雇用者としての一人はみつからなくても高齢者を含めて、免許や資格を持った人が多能工として少しずつでも参加して必要な仕事をするという形です。
そのためには市民や住民一人ひとりが多能工になることが必要で、それが「一人ひとりがやれることを増やすよう頑張るべきだ」という地域風土が必要かもしれません。
同時に必要な資格や能力を身に着けるような努力も必要です。
以前「老老介護の社会化という提案 ~ 自分も介護の勉強をしなくては」というブログ記事を書きました(https://bit.ly/3N6DyT8)が、人が少なくなるのは介護だけではなく除雪もまたしかり、そうだとすればもっと多くの事柄で担い手が不足するのだと思い至りました。
地域社会のインフラをメンテナンスするうえで、専門家が必用なだけではなく、専門家までは至らないけれど"何でもそこそこやれるくらいの人"を育成して皆で協力しながら支えることはできないでしょうか。
逆に言えば、自分も何でもそこそこできる人になろう、リスキリングしようということです。
講習会や補助金などそれを推奨する地域社会の仕組みも必要かもしれません。
例えば道路の舗装に穴が開いていたとして、それを役場に電話して担当者を呼び、補修を業者に依頼して修繕する、というのがこれまでの流れでした。
それを舗装の穴を見つけた人が役場に連絡をして、常温合材を譲り受けて自分で修繕する・できるというそんな人が現れないでしょうか。
夢物語なのかもしれませんが、生きていて動ける限り全員参加のまちづくりということを理想にした地域を目指して、小さなモデル事業から始めてみてもらえないものか。
まずは自分も少しずつ多能工になることを目指してみようか。
そんなことを思いました。