展覧会いまだ準備中 価格:¥ 1,733(税込) 発売日:2012-12-18 |
野猿美術館は、展示室四百平米のこぢんまりした美術館である。
今田弾吉は、この美術館で働き出して丸三年になる学芸員だが、いまだに言われるがまま下働きをしているだけで、自分が立案した企画が通ったためしがない。
そんな中、大学の先輩が見てもらいたいと言った羊の絵がきっかけで、
彼の周りに新しい風が入ってくる。
彼女になるかもしれない女性、不思議な武士、先輩の息子、ものになるかもしれない企画。
弾吉のやっていることはあまり変わらなくても、心が動くことで変わっていくことはあるのかもしれないと思わせる希望のもてる結末でした。
ただ弾吉は、乾福助に名乗っていないように思えて、そこが少し気にかかります。