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ディアスと月の誓約 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2013-04-24 |
かつて三つあった月の二つを引き下ろすことで、雪原の凍土を人間が住める土地にした魔法使いがいた。
彼が三つ目を引き下ろそうとした時に、銀の角のサルヴィと呼ばれる鹿が引き止めた。
それを聞き入れず魔法使いがサルヴィを殺した時、彼は、その角をそこにある岩棚に掲げれば、その地<緑の凍土>には哀れみの北風が吹き続けるという予言をした。
しかし、角が崩れ去る頃合いに南からの悪い風におしやられ、サルヴィがまた生まれると。
そして再び、魔法使いの血を引く赤金色のたてがみの人間が、その前に立ちふさがるとも。
王の三男ディアスは、ある時からその伝説の夢をみるようになった。
家臣に育てられたディアスは王位継承争いに興味は無かったが、異母兄オブンの罠にはまり、故郷から追放された。
同じ頃、姪であり幼なじみのアンローサにも、危機が迫っていた。
伝説では語られなかった言葉をディアスが夢に見ることで、新たなる道が切り拓かれます。
悪夢は終わりませんが、今度は全ての人々が痛みを分かち合う、闇の中にかすかなる光がさすような結末でした。