こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『公方様のお通り抜け』西山ガラシャ

2016-10-16 19:38:27 | 読書感想
日本橋から二里ほど西方にある戸塚村に住む外村甚平は、大百姓だが日々金儲けの方法ばかり考えている。

寛政四年(1792年)の夏。
終わり徳川家の約十三万坪の広さがある下屋敷・戸山荘の手入れを頼んでいる百姓たちが、重労働の割に賃金が少ないという苦情を伝えるために集まっていた。
それは、翌日から甚平が工面して値上げ分を出すということで、一応は収まった。

その翌日、戸山屋敷奉行・拝郷弾蔵の元に交渉のために赴いたところ、また違った儲け話を聞かされることとなり、甚平は、すぐさま引き受けることにした。

それは、戸山荘に公方様(徳川家斉)が半年後に御成になるため、御庭を最善の状態にするばかりでなく、さらに上様(徳川宗睦)が、公方様を喜ばせるような仕掛けも考えよ、と命じられたというのだ。

最初は金儲けのために始めた甚平が、公方様を驚かせたいという気持ちになっていく過程が面白いのはもちろんですが、目的のためなら嫌われ者の元へも手助けを頼みに行くという、割り切りの良さも気持ちよかったです。
どのような仕掛けをし、結果がどう出たのか。
興味のある方は、ぜひ、お読みください。
コメント
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