こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『偶然の聖地』宮内悠介

2019-07-01 19:50:53 | 読書感想
西にシリア、東にギルギットを従えた独立峰イシュクト山。
“わたし”こと、怜威の祖父・朗良も、イシュクトに魅入られ山を目指して消息を絶った1人。

“わたし”がイシュクトを目指すこととなったのは、祖父が失踪後にニルファムという名の女性を作ったと、弁護士を名乗る男が訪ねてきたからである。
彼女は、イシュクトの麓近くの集落にいるというので、家族会議によって、夏休みがある“わたし”が会いに行くこととなった。

この物語世界には多くのバグがあり、イシュクトと琵琶湖の底が繋がっていたりもする。
そのバグを修正する世界医という者もいて、今回、殺人事件の容疑者として“わたし”を追う刑事、ルディガーとバーニーに2人組と対立することとなる。

読み始めは「ずいぶん、注釈の多い物語だな」と思ったのですが、時折、宮内さん自身の話題に笑わせていただいて、むしろ、楽しみにしておりました。
ただ、本当にバグも多くて、修正に関する闘いが終わった後も、生物学的に困難だと思えるバグが平然と存在し続けて、頭を抱えたくなりました(笑)
最終的な闘いの相手も、何だかなーって存在ですしね。

IT関係に詳しい方だから、こういう面白い発想や変わった方向の思考をなさるのでしょうか?
ファンタジーと言ってもいいのかもしれませんが、ここまで大風呂敷というかスケールの大きさだと、SFとも言えると私は思えます。
楽しませていただきました。
コメント
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