こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『あきない世傳 金と銀 七 碧流篇』高田郁

2019-10-18 19:52:29 | 読書感想
 
毎月十四日に、店前現銀売りでも帯結の技を教える事にした幸。
しかし、集まって来たおかみさんたちの帯の中には、今回、教える予定だった結びには丈が足りないものも混じっていた。
早速、初めから困難にぶつかる五鈴屋。

さらに今回は、歌舞伎役者の弟子の稽古着として、表を綿、裏を絹で仕立てるという、本来ならあり得ない仕立てを注文される。

これら、細かい変化と共に、幸が江戸店の商売が軌道に乗るまでと考えている女名前の延長と、その後の為の五鈴屋の養子の件も進んでいく。

江戸の常識を大坂の自由な考えで覆す商売ばかりでなく、大坂の人間の常識を江戸の人々によって考え直させてもらうという良好な関係が生まれ、商機が見出されていきます。

また、今までの人間関係を大事にしてきた事で、巻末の結びで行われる催しにおいて必要な反物を任せてもらえます。

とりあえず、今のところは順風満帆に見えますが、幸が商売を続けられるのか、結の結婚相手が見つかるのか、五鈴屋の八代目が誰になるのかなど、気になる事は目白押しで、気が抜けないのも本当です。

まあ、ひとまず、この催しが生み出す商機がどう展開するのかが、次巻の楽しみですね。
ますます、面白くなりそうです。

ちなみに表紙絵の反物は、江戸紫だったりしませんか?
コメント
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