こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ペナンブラ氏の24時間書店』ロビン・スローン

2021-03-05 20:04:36 | 読書感想
 
失業中の元デザイナー、クレイ・ジャノンは、あらゆる仕事を探したあげく窓に貼られた求人ビラを見ていくうちに”24時間書店”のビラを見つけた。

それには
 店員募集
 夜勤
 特殊な応募条件あり
 諸手当厚遇
と書かれており、合法な雇い主という感じではなかった。

実際の〈ペナンブラの24時間書店〉では、状態のよい本が販売されていた。
しかし奥には、それとは別の貸本スペースがあり、会員らしき人々が借りていった。
さらにクレイは、そこにある本の中身を見てはいけないと厳命され守ってはいたが、好奇心の強い友人たちが中身を勝手に見てしまい、解読できないローマ字の羅列が並んでいる事が分かった。
その他にもペナンブラ氏は、クレイに顧客とのやり取りや時刻、その様子、精神状態、どのように本を請求し受け取ったのか、などなどをノートに記録するようにとも言った。

この書店と貸本の内容には秘密と謎があり、クレイとその仲間、そしてペナンブラ氏も解読に乗り出す。

最初に、書棚が遥か高みまであって上は暗く、梯子でよじ登るところは危ないながらも冒険心をそそられ、書籍量にも心躍りました。
そしてペナンブラ氏の所属する〈アンブロークン・スパイン〉の取締役会長コルヴィナ氏との対立の場面では、ハラハラしました。
さらに、1500年代の人物が残した謎を、グーグルのコンピューターを総動員して解き明かそうとするくだりでは、ワクワクしました。
結末も、本好きとしては満足のいくものでしたし、続編の楽しみも倍増させてくださるようなものでした。
面白かったです。
コメント
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