こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ドアを開けたら』大崎梢

2023-01-08 19:46:30 | 読書感想
 
自宅マンションを売り払い引っ越す予定にしている鶴川佑作は、部屋の整理中にまだ借りていた雑誌があるのに気づく。
同じマンションに住む七十歳過ぎの独身の男性・串本英司さんに返すためご自宅にうかがうと、よくある事とはいえドアの鍵がかかっていなかった。
留守中ではなさそうなのを確認しつつ声を掛けながら入っていくと、串本さんはリビングと和室の境目に倒れていた。

一度は警察を呼ぼうとしたが、近所で死亡者が出たマンションの部屋の値段が下がった話を聞いた覚えのある佑作は、売買交渉中の自宅の契約が決まる明日まで待ってもらいたいと思い、ひとまず、そのまま帰宅する事にした。
しかし、串本さんのお宅から出てくるところを近所の男子高校生・佐々木紘人に見られた上に映像まで撮られ、あるものを取ってくるように脅される。
渋々、現場に戻ると、なぜか串本さんの遺体が消えていた。

その後、佑作と紘人は、事件の謎を追う事となる。

ミステリ自体も面白いのですが、佑作や串本さん、紘人の生活や事情がよく分かり、事件解決後も、その事が佑作や周りの住人たちの人生をより良い方向に動かしていて、後味の良い物語になっています。
おすすめです。
コメント
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