こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『なぞとき』畠中恵

2024-11-11 20:11:42 | 読書感想
 
小鬼が悲鳴を上げて若だんなの元に駆け込んできた。
じきに表れた手代の佐助の頭からは血が流れ、頬や額にいくつもの傷をこさえていた。
佐助は妖でもあるせいか、もっぱら強い。
なのにこの傷は小鬼がつけたものと平然としている。
実のところ、小鬼の手は柔らかく爪も鋭くないため、そのような傷を作ることは不可能なのだ。

このような佐助の傷の謎から始まり、町で評判の器量よしで非の打ちどころのないお照さんの縁談が破談になった訳など、毎度のことながら若だんなの周りには不思議がいっぱいです。

今回特に好きなのは「長崎屋の怪談」と「あすへゆく」
前者は天麩羅に足が生えて逃げ出すユニークなものですし、後者は父の藤兵衛から初仕事を任され張り切る若だんなが微笑ましく楽しみでもありました。

基本、江戸時代の日常ミステリですので、興味のある方はぜひ!
コメント
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