我孫子武丸さんの『狩人は都を駆ける』を読みました。
主人公が個人事務所を開業してはや六ヶ月。
帝都リサーチ時代にできた警察や法曹関係者との繋がりから、お情けで回ってくる仕事で
糊口をしのいできた。
しかし、わずかばかりの貯えも底をつきそうで、アパートを引き払って事務所に寝泊りするか、
事務所をたたんでアルバイトの口を探すか、というようにおいつめられていた。
そんな時、事務所の向かいの犬猫病院の沢田から、犬の誘拐事件の紹介をされる。
問題は、主人公が動物嫌いな事。
それ以降、なぜか動物がらみの事件の解決を依頼されることが多くなった。
中・短編集ですが、中でも表題作が一番格好いいですね。
軽い気持ちで犯罪に手を染めた彼らは、一生、あの重荷を背負って生きていくのでしょう。
動物の探偵といえば、逃げ出した動物を探す事ばかりだと思っていたのですが、色々あるものですね。
動物を嫌いながらも、彼らの世話をし誠実に対応する主人公に、好感を持ちました。
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