『未来へ・・・・・・』新井素子

２０１２年の１月９日（月）に成人式を迎えた多賀内奈苗が父親にしたおねだりは、五歳の時に事故で亡くなった双子の姉・香苗の仏壇を復帰させることだった。

そして仏壇を出したその日から、母親の若葉は香苗が死んだ１９９６年同日の夢を見るようになった。

もし、不幸が起こる前に未来の自分が過去の自分へ、その事実を伝えることができたなら。
これはそういう話なのですが、さて、普通の人は伝える側も伝えられる側も、ここまで掘り下げてその後の経過を考えることができるのでしょうか？

奈苗といい、若葉といい、実はとても冷静で良心的で頭のいい人たちだと思います。
それに坂井さん、あなたが一番ぶっ飛んでますね（褒めてます）。

読後感としては、ここに出てくる登場人物全員の幸せを願わずにいられない。
そんな物語でした。

『続・１２月の夏休み ケンタとミノリのつづきの冒険日記』川端裕人

『１２月の夏休み』の続編です。
あれから一年後、ケンタ十一歳、ミノリ八歳。
今回は、フィヨルドランドの山歩きをパパとママと揃って楽しむはずだったのに、ママが少し脇道にそれて景色を楽しんでいると、パパまで珍しい鳥を追いかけミノリまでつられているうちに山の斜面を滑り落ち、はぐれてしまった。
また、子どもたちだけの冒険？

ハラハラしつつも、様々な珍しい鳥に出会う楽しい物語でした。
とはいえ、パパはもちろんママも子どもたちを放っておき過ぎ！
パパを二回も叱る前に、そんなパパに子どもたちを任せるママにも問題があると思いますよ（苦笑）。
まあその分、しっかりした子どもたちに育ちそうです。

『オーダーは探偵に グラスにたゆたう琥珀色の謎解き』近江泉美

今回は、四年前に亡くした恋人が残したメッセージの謎を解くことから始まり、美久のドジによる倉庫密室騒ぎで一休み、ラストは悠貴の過去に関わる問題に美久が少し触れる事件が起きます。

どれも鮮やかに解き明かす悠貴ですが、最後の事件はこれからもからみ合った糸をほぐすように直していかなければならないものでしょう。
このシリーズがどこまで続くのかは分かりませんが、最後に笑って終われることを祈ります。

『迷いアルパカ拾いました』似鳥鶏

動物園の「アフリカ草原ゾーン」担当の飼育員・桃本は、同僚の飼育員で「ふれあいひろば」のウサギ・モルモット担当である七森さんと共に、園内で迷子のアルパカを発見し保護した。

それから間もなく、七森さんの大学時代の友人が失踪し捜しているうちに、桃本たちも襲われるようになった。
友人とアルパカに何か関連性がありそうな？

最近、犬の死体大量遺棄事件もあり、このような問題もあり得そうな気がしてきます。
こういうことは、ミステリの中だけにしてほしいものです。

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

私の新年の幕開けは、初売りでした。
皆様はいかがお過ごしでしたか？
初詣は、三日に行こうかと話してはいます。

こんな私ではありますが、今年も宜しくお願いいたします。
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。