こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『天空の約束』川端裕人

2015-11-11 19:29:57 | 読書感想
<空の一族>について描かれた『雲の王』の続編・・・といいますか、過去にさかのぼった物語です。

第二次世界大戦のさなか、長崎の島原の田舎に赴任した新任教師が出会った、不思議な力を持った少年少女たちとの出来事や、自らの力の自覚なしに育った現代の一族たちなどの話が、行きつ戻りつしながら描かれ、やがてはそれぞれが知り合っていきます。

何となく、不穏なものを感じる現代。
果たして、彼らが集まっていくのに危険はないのか?
また、権力者などに利用されてしまわないのか?
とても、不安になりました。
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『消滅』恩田陸

2015-11-09 19:32:14 | 読書感想
日本の国際空港の入国審査で、日本人数名がテロリストの疑いありとして足止めされてしまった。

奇しくも日本上空には大型台風が最接近しており、空港内の非常ベルが鳴るのとほぼ同時に、スマホなどの由信が一切できなくなってしまった。

誰がテロリストか判明するまで、彼らを監視するのは人と見まごうばかりの姿をした高性能ロボット・キャスリン。
彼らの中に、本当にテロリストがいるのか?また、その目的と方法とは?

完全に情報から遮断され、ともすると命を脅かされるかもしれない状態で、どのようなことを考え、行動するのか。
架空の話のうちだから面白がれるのですが、現実に起きたら心がもちそうにありません。
どうか、テロの無い世界になりますように。
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『ことことほとほと』わかつきめぐみ

2015-11-08 19:38:11 | アニメ・コミック・ゲーム
土地神様と猫弥さんが将棋を指している最中、土地神様の長考に周囲の者が「負けてあげなさいよ」と書いた紙を渡すも、それを本人が読んだからもう大変。
へそを曲げた土地神様は、ハマグリを屏風の中に蹴り込んでしまった。
さらに、ハマグリの様子を心配した巳之介も、河童に屏風の中に引きずり込まれ、しまいには、シシまでが助けに行ってしまった。

色んな世界を渡っているくぐつ使いによると、通行札がないと元の世界に帰る出入り口を通れず、札は元の世界でしか手に入らないという。
巳之介たちは、土地神様のいる世界へ帰ることができるのか?

確かに、今の世の中では太古からある土地神様を大切にすることも少なくなってきましたから、神様やもののけなどの居場所も無くなってきているのかもしれません。
たまちゃんたちの居場所が無くならないようにしたいですね。
帰ってこれたかは、お読みになってください。
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『エピローグ』円城塔

2015-11-07 19:54:50 | 読書感想
オーバー・チューリング・クリーチャ(OTC)が現実宇宙の解像度を上げていったため、人類はその現実を耐え難い美しさと受け止め、至福の裡に一二〇億人が餓死した。
残った人類は、イザナミ・システムの中に逃げ込んだ。

それからしばらく後、特化採掘大隊の朝戸連と相棒の支援ロボット・アラクネは、OTCの構成物質(スマート・マテリアル)を入手すべく、現実宇宙へ向かう。

一方、アルゴンキン・クラスタとウラジミル・アトラクタで発生した二件の殺人事件に関連性があり、今後、全十件の連続殺人事件に発展すると、戦技研(包括的戦術級技術研究会)が判断し、刑事クラビトに捜査を指示した。

円城さん初の長編ですが、OTCのために現実よりも情報というか言語が幅を利かす世界になっていて、事実を言葉が凌駕したりして、とてもややこしい物語になっています。
実在する人だけでなく、エージェントという仮想人物もたくさんいて、区別がつかなかったりして困ってしまいます。
しまいには卵が先か鶏が先かという状態になってしまうしで、読了までに時間がかかりました。

面白いのですが、読みとばしを許さず、熟読を要求するストーリーです。
時間に余裕を持って、お読みください。
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『だれもが知ってる小さな国』有川浩

2015-11-04 19:44:38 | 読書感想
養蜂家の家に生まれた比古(ヒコ)が小学校三年生の頃。
北海道で、家の手伝いをいくらか終わり父の許しを得て車に戻ろうとすると、耳元で「トマレ!」という鋭い声が聴こえた。
思わず足を止めると、足元にはとぐろを巻いたマムシがいたのだ。
間もなく父が退治に駆けつけて、事なきを得た。

その年はいつもと違い、北海道で同じ時期に同じ学校へ転入してきた少女がいた。
名を比売(ヒメ)という。
先生は、ヒコもヒメも日本神話から付けられたんじゃないかと言っていた。
ヒメのお父さんはこれまで会社員だったが、家業の養蜂業を継ぐ修行を始めたのだそうだ。

そんな北海道でのある日、ヒコが車の中でテトリスをしていると再びあの声が聴こえ、迷子になったヒメを見逃さずにすんだのだ。
そればかりか、その声の主がヒコの前に姿を現した。小人?


今回、コロボックルの存在が明るみに出そうになったり、ハラハラさせられることもあり、どうなることかと思いました。
さらにまさか、ヒコたちが大人になって、あのようなことが明かされるとは夢にも思いませんでした。
嬉しい驚きでしたけどね。

また、日本全国にコロボックルがいる可能性を創ってくださった有川さんに、感謝したくなりました。
佐藤さとるさんに負けず劣らず、素敵なファンタジーになっています。
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