こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『東京の子』藤井太洋

2019-04-18 20:05:07 | 読書感想
仮部諫牟は(26歳)
ある理由で戸籍を買って名前を変え、東京オリンピック後に新たな労働力となった外国人が、仕事に出てこなくなった時に説得して連れ戻す仕事を主に行っている。

ある日、彼のメインの依頼主、ダン・ホイから、欠勤しているスタッフのファム・チ=リンを捜す仕事を頼まれる。
彼女は、働きながら学ぶ新しい大学・東京デュアルの学生、水谷と付き合っているという。

いつもなら、説得して連れ戻すだけの仕事なのだが、学長に正体を見破られつつ気に入られ、挙句の果てに、学生運動に引き込まれそうになる。

別名、ナッツ・ゼロの諫牟、大学、そして、日本の労働条件の行方がどうなっていくのか?

今、多くの外国人労働者を受け入れようとしている日本。
その未来を、理想ではあっても見せようとしてくださった藤井さん。
まあ、あんな正論だけで生きてきた学長なんて、現れるとは思えないのですが、面白かったです。
ただ、1.0から3.0のバージョンのサラリーマンというのは、ありそうで笑えません。
どうか、できるだけ明るい面が多く実現する事を願っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『毒よりもなお』森晶麿

2019-04-15 19:50:15 | 読書感想
三人の人物を殺した犯人ヒロと、被害者のうちの一人のカウンセラーは、高校生の頃からの知り合いだった。

首を絞められたのに、何とかしてヒロアキを救おうとする千尋の行動を追ううちに、現実で起きた殺人事件と、それを取り巻く報道や大衆の思考や言動について、改めて考える事となりました。
また、今回の物語は、犯人が初めから分かっていたために逆の先入観を持ってしまったのか、それを見事に覆されてしまい驚かされる事になりました。

騙された感、半端ないとはこの事です。でも、こういう騙され方は、爽快なんですけどね。
タイトル通り毒も強いのですが、とても読み応えがあり、ミステリ好きにはなおの事、お薦めです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『名古屋駅西喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる』太田忠司

2019-04-14 19:47:32 | 読書感想
名古屋の医大生・鏡味龍は、祖父母の経営する喫茶ユトリロに住まわせてもらっている。

ある日、学食で久しぶりにきしめんをいただいていたら、地元の情報を扱っているWebサイトの記者から、名古屋めしを扱った記事のモデルを頼まれる。

すると、記者と共に名古屋めしを追っているうちに、それぞれの食べ物に関わる問題に出くわし、解決していく。
ところが更に、その記者の心の歪みまでも明らかになっていく。

今回、探偵の立場の龍くんが、絶対的な正義を否定するスタンスを取ります。
ちょっと不思議な気もしますが、現実社会では、絶対的な正義なんてありませんから、これが当然なんですよね。

そして、私自身、この記者さんと似たり寄ったりの認知の歪みがありそうな気がしました。
治せるかどうかはともかく、その歪みを認識して、修正しようと努力していく事こそ、大事なのではないかと考えています。

面白かったです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『気まぐれ食堂 神様がくれた休日』有間カオル

2019-04-09 19:47:01 | 読書感想
腕の骨折によって勤めていたレストランを辞めざるを得なかった調理師の方田実果は、同居していた恋人にも振られ、一か月の予定で、瀬戸内海にある島の民宿に泊まっていた。

ある日、白猫に誘われるまま山に登ったところ、猫とはぐれ迷ってしまった。
這う這うの体で道路まで降りてきてみると、民宿とは山を挟んで反対側。
喉が渇いていた時に、ようやく見つけた無人の「気まぐれ食堂」で、水をもらって飲んでいた。
その後も、島の子どもたちにからかわれたり、オーナーらしき男に謎の解明という変な課題を与えられたりと、妙な状況に陥り散々。
実果の休暇は、どうなることやら。

うーん、実果が元気になるのはいいのですが、今後、島には癒されに来るだけで、住む事はなさそうですね。
お客も来ないでしょうし、ここで食堂さえ営むのは非現実的です。
多分、作者は、主人公の心の再生を描きたかったのでしょうが、つい、島の人間の立場から読んでしまいました。
便利なところから来て、利用するだけして帰ってしまうのね、と寂しくなるのです。
いくらかは、お金を落としていくんだろうから、いいだろうと思われる方もいるでしょうが、それでいいのかな?と。
実際のところ島の住人ではありませんし、感傷なのかもしれませんが、何となく・・・ね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春風亭昇太独演会in福岡イムズホール

2019-04-07 20:53:58 | 落語
今日は、福岡のイムズホールで開催された、春風亭昇太さんの独演会に行ってきました。

もちろん、それだけで大人しく帰る私ではありません。
まずは、中央区警固公園の近くにある・・・というか、公園が神社の近くにあると言うべきなんでしょうね、順番としては。
とにかく、警固神社に行ってきました。



お参りをして、御朱印をいただいて、お守りを古いのから新しいものに換えて・・・と、ストラップのお守りを外してお預けしたら、少なくとも3年ほど前の古いものでした~赤面。


多分、もっと前だと思われます。足湯に入った時ですね。すみません。
とりあえず、快気お守りにしました。



続いて、福岡PARCOにあるリラックマストアですみっコグッズを買って、5階にあるホークスレストランが盛況なのを横目に新館B2へ。

スープストック東京だっけ?で、オマール海老のビスクと春野菜のスープ、二種類のセットを頼みました。
11時オープンを待って入ったのですが、春野菜の方は、10分待たなくてはなりませんでした。
でも、季節ものなので食べながら待ち、10分以上だった気もしながらも、美味しかったのでいい事にしました。

食べ始め。


やっと来た、春野菜のスープ。


あと、本屋に寄って、イムズのTOKIOであまおうパフェをいただいて、館内を眺めて回って、会場に行きました。



ついでに、改築するかもしれまいので、イムズの写真。



到着してみると、春風亭昇太さんの独演会は満員御礼でした。
開演してみると、昇太さんが前座の前に前説?されまして「端っこの方も把握していますから!」と舞台の両端にいらしては念押しされていたのが、微笑ましかったです。ちなみに、私は右のすみっコでした。好きなだけに?(笑)いやいや、座席は真ん中が好きですけどね。

前座は、昇太さんの8番弟子の昇りんさん。
ご実家がりんご農家だそうで、今回「たらちね」を演ってくださいましたが、大丈夫、落語家も向いていると思えます。りんご農家については向いているのかの判断ができないっていう事もありますがね。

そして、昇太さんの「看板のピン」
この噺を聴くのは初めてです。昇太さんに限らず。
最近の昇太さんがしょっちゅうされているようで、何でも、一つギャグを思いついてから、演っていて面白くなったとか。

ここで、なぜか生着替え。
昇太さんが、おもむろに着物を脱いでじゅばんになって、着ていた着物は上座に投げて、高座の後ろから畳んだ新たな着物を出して、着て帯締めて・・・という作業を済ませました。

独演会では、昇太さんが2回演じる時と、3回演じる時があるそうで、3回の時に、時間短縮と無駄を省くのと、客の評判が割といいのとで、着替えられるそうです。

ここでは、新作落語の「花粉寿司」
花粉症の寿司屋さんの噺で、威勢のよいくしゃみが、かえって笑いを誘います。
DVDにもなっていたと思うので、興味のある方は、ぜひ!

仲入りが入りまして、「火焔太鼓」
こちらも、ギャグを思いついてからよくされるようになったそうで、演じる方が楽しまれるのが、まず、最初って事なんですかねえ。
とっても、面白かったです。

会終了後、貼りだされた演目です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする