こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『みかんとひよどり』近藤史恵

2019-05-21 19:46:28 | 読書感想
フランス料理レストランの雇われシェフ・潮田亮二(35歳)は、イングリッシュポインターのピリカと狩猟のために山に入った。
ところが、ちょっとのつもりが道に迷い遭難しかけたところを、害獣駆除を請け負う猟師・大高重実に助けられた。
免許を取ったものの腕にあまり自信の無い潮田は、狩猟に慣れた大高に、今後も獲物を譲ってもらえないかと持ち掛けるも、断られてしまう。
しかしある日、大高の自宅が放火とみられる不審火で焼失してしまい、建て直しの資金のためにひよどりなどを売ってくれる事となった。
実は、他の猟師仲間も嫌がらせに遭うようになっているらしく、猟師を敵視している人物がいるらしい事が分かってくる。
果たして、その人物とはどんな人間なのか?

それぞれの立場から言い分はあるのでしょうが、一番危ないのは、自分自身が絶対正義だと思ってしまう事だと考えられます。
第二次世界大戦前や最中の大多数の日本国民が、そうだったのではないかと思えます。
最近のSNSを見ていると、日本があの時代に向かっているようで、恐怖を覚えます。
私自身も気を付けなくてはいけないと思わされた、物語でした。
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『かわたれどき』畠中恵

2019-05-15 19:47:42 | 読書感想
自分自身が知らないうちに縁談が始まったり、吉五郎の縁談をつてに困り事を相談に来た娘に見初められたりと、今回の麻之助も、町名主の仕事と並行して、先々の事について考えざるを得なくなる状況に置かれる。

町に流れる嫌な噂、地本問屋に持ち込まれた描き手不明の金魚の絵、生き別れの息子の真贋など、様々な謎が差し出されます。
お気楽を装う麻之助も、その中で色々と見つめ直す事があったのか、腹を決めます。
ただ、相手のいる事なので、上手く行くかどうか分からないんですよね。
次巻まで、やきもきしながら待たなくてはならないのが、なんとも。
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『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第一部兵士の娘I』香月美夜

2019-05-13 19:48:34 | 読書感想
大学図書館への就職が決まっていた本須麗乃は、震度三から四と思われる地震で傾いた本棚と本に潰されて死んだ・・・と思ったら、本の無い世界に跳ばされていた。

目覚めると、マインという名のとんでもなく病弱な、幼い少女となっており、あろう事か、そこでは本どころか紙さえ貴族階級の者しか使えず、よりによって彼女は、貧しい兵士の娘でしかなかった。

マインこと麗乃は、本を手作りする決意をするのだが・・・。

最新刊のタイトルに惹かれて本屋のサイトで検索してみると、これは・・・。
今から買うには、収入的にも収納的にも困難だと判断し、図書館で借りてみました。

うん、麗乃ちゃん、尊敬しますわ。
確かに私も本が好きですが、ここまで筋金入っていません。
しかもどうやら、一日中何冊でも読みそうな感じではありませんか?
私は一日一冊、頑張っても半分くらいですよ。
その上、無かったら材料から作ろうとするなんて、どれだけ根性あるんですかっ!
面白かったので、次巻も予約入れました(^^)v
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無形文化遺産 狂言へのお誘いin北九州芸術劇場大劇場

2019-05-12 20:27:13 | 古典芸能
今日は、茂山忠三郎さんに師事する河原康生さんの芸歴五十周年記念公演という事で、珍しく、能楽堂じゃなく劇場での公演を観せていただきました。

私の目当ては茂山忠三郎さんんでして、一度、茂山家の方の狂言も拝見したかったんですよね。
今回「千鳥」の太郎冠者を演じられたのですが、とっても楽しめました。

あと、河原さんが演じられた「花子」も、浮気をする男の情けなさと、焼き餅焼の妻のおかしみを、とても面白く観る事ができました。

で、当たり前なのかもしれませんが、やはり型があるとはいえ、河原さんより茂山さんの方が、演技が自然体に思えました。

アンケートにも書きましたが、できれば、茂山家の方々にも「大濠公園能楽堂」でいいので、九州にも来て観せていただきたいです。どう違うのか、素人の私でも感じ取れるのか、知りたいです。それ以前に、楽しいですしね。狂言。
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『獣に道は選べない』額賀澪

2019-05-07 19:53:14 | 読書感想
うーん、確かにタイトル通り・・・なんですがー。
シリアスな任侠小説かと思ったら、してやられた感じ半端ないです。

ま、表紙絵も、ちゃんと獣ですよーって分かりますし、注意力が足りなかった私もいけません。
でも、化け猫を主人公にした化け狸の任侠小説って、どうなんですか?
いや、もう、最初っから明かされていますし、ちゃんとシリアスな内容なんですが、三割ほど笑えてしまう気がします。

すっごく面白いし、いい話ですが、映像を脳内に思い浮かべると、どうも何と言いますか・・・(^^;)
あと、この文庫で、前もって前日譚が出されていたのですね。すみません、気づきませんで。
近いうちに読みたいと思っています。
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