今回の「名言・佳言ピックアップ」は、作詞家の 阿久悠氏 の言葉を取り上げます。
阿久悠氏(1937‐2007)は、『昭和おもちゃ箱』<阿久悠・著/扶桑社・刊>という本の中で、「昭和最後の秋までは、細々ながらもあった」ものを列挙しています。(「昭和と歌謡曲」)
阿久悠氏の、時代や人間に対する鋭い見方が伝わってきて、教えられるところ大なので、以下それらを箇条書きにして記しておきます。
・人を愛すること。
・気遣うこと。
・労(いたわ)わること。
・目を見て話すこと。
・気配を感じること。
・今行うことが三手先でどうなるかを読むこと。
・生理的不快を知ること。
・言葉をタップリ持つこと。
・自分の弁護のために相手をおとしめないこと。
・声高に正義を語るより、まず日常の正しいことを重んじること。
・笑わなくてもいいから微笑(ほほえ)むこと。
・大人になりたがること。
・人間は十人十色だと違う個性に魅(ひ)かれること。
・はじらうこと。
・照れること。
・美意識の窮屈さを合せ鏡にすること。
(最後の「美意識の窮屈さを合せ鏡にすること」の意味が少し分かりにくいのですが、「自分の美意識を主張し過ぎるのは、他者にとっては時に窮屈であるかもしれない。そのことを分かっていること」くらいの意味でしょうか)
まったくの‘昭和人’であるわたしにも、この「気配を感じること」「はじらうこと」「照れること<謙虚さの表れか>」などは、できるかどうか自信がありません。
でも、「目を見て話すこと」「微笑むこと」は、心がければできそうな気もします。
ともあれ阿久悠氏のこれらの言葉は、この平成という時代を生きるわれわれ日本人一人一人が、今こそ味わうべきメッセージであると思えてなりません。
*写真は、黄薔薇、フリージア。本記事とは関係ありません。