韓国南西部の木浦(モッポ)から、船で西へ100キロ余の海に浮かぶ島、黒山島(フクサンド)と紅島(ホンド)に、友人たちと行ってきました。
無数の小島が海に浮かぶ 「多島海上国立公園」 の中にあり、自然がそのままに残された島々です。
上の写真は木浦港からわれわれが乗ってきた快速船ユートピア号。 黒山島の港 (というより船着き場) に着いたところです。
木浦からは2時間ほどかかりました。
黒山島から見た海。
夜、港近くの食堂で食べたサザエとホヤの刺身。
地元のアジュンマ(おばさん)たちが作ったという地酒(マッコリ)。
色が白ではなく茶色です。ジュースの大きなペットボトルに入れて持ってきてくれました。
甕から酌んできたのでしょう。
濃厚で深い味。 発酵の続いている生きた酒です。 素朴でありながら最高の旨さ。
マッコリはつくったその地で飲むもので、旅に出す(遠くに出荷する)ものではないということなのでしょう。
この日は、島の唯一のホテル、フクサンホテルに泊まりました。
翌朝、紅島への快速船に乗るため船着き場へ。
干物などを売る露店がたくさん出ていました。 小ボトルのマッコリも売っています。
紅島に着きました。
黒山島から、さらに西の紅島までは、快速船で40分ほど。
紅島の周囲の海には大小の岩が島を取り囲む形で連なり、島自体も岩肌でおおわれていました。
黒山島よりも紅島は、さらに小さな島です。
島には車もありません。(狭い坂道はあっても車道などない)
バイクの後ろに箱をつけたようなもので物を運んでいました。 時折狭い坂道をスピーディに登ってきます。
ここはきっと、漁をする人と観光客の相手をする人(何軒かの食堂と民宿のような宿舎がある。それに船着き場で露店を広げているおばさんたち) との、ほんのわずかな人たちしか住んでいないのでしょう。
また、紅島は、船着き場付近以外は、観光客が島の深くに足を踏み入れることを禁じられている、自然保護区域です。
紅島の周囲を巡る遊覧船に乗り換えて、奇岩の数々を見てまわりました。
ユニークな形をした岩の前では遊覧船はストップし、写真の撮影が行われます。
業者 (遊覧船の職員か) が乗客の家族写真を撮り、乗客が降りるまでに現像、プリントし、小さな額に入れ、乗客に売るのです。
写真担当の男は、出来た額入り写真を持って、船内の被写体となった乗客を探します。
見つけると、現金と引き換えに写真を渡します。一万ウォン(800円ほど)のようでした。
途中、突然、猛スピードで小さな船がこちら、遊覧船を追ってきました。
漁師の船でした。 ストップした遊覧船に近づき、横付けにします。
目の前で生きた魚をさばいて、刺身にして売ってくれる船だったのです。
ビール、焼酎やマッコリも売ります。
魚をさばく人の手の速いこと速いこと。
生け簀桶から魚を取り出し、手早く三枚におろす人、皮を剥ぎ取る人、タッタッタッとダッシュで切り刻む人、
それに発泡スチロールの入れ物に入った薬味セット(韓国醤油やコチュジャン、刻んだタマネギが入っている)を重ね、
乗客のお金と交換する人との絶妙の連携プレイ。
遊覧船と漁師船との連携も絶妙です。 船を近づける場所と時間を事前に打ち合わせているのです。
写真撮りも魚売りも、‘遊覧船事業’ の一環なのでしょう。
遊覧船内では、甲板やその下の1階部分など、あちこちで宴会が始まりました。
われわれもその刺身とビール、焼酎を買いました。
1階部分のテーブルで食べ、飲んでいると、隣のグループの人が近付いてきて(われわれ以外は全部韓国人)、
マッコリのボトルを差し入れてくれたり、話しかけてきたり・・・。
そのうち、韓国中部の全州(チョンジュ)から来たというそのグループの人たちが、踊り始めました。
そしてわれわれも、その十人ほどの踊りの輪に半ば強引に、半ば自主的に、引き入れられてしまいました。
船内に流れるテンポの速い音楽に合わせ、それぞれが自分の振り付けで踊ります。
わたしは阿波踊りに佐渡おけさをミックスしたような、自分勝手踊り・・・。(汗)
島々を見るゆったりした観光が突然、大宴会へ。 このハプニング、とても楽しかったです。
今回の旅は、黒山島、紅島行きの2日以外は、友人たちとは別行動でした。
一人でソウルの鐘路(チョンノ)や大学路(テハンノ)の街をゆっくり歩いて見てまわりました。
(ソウル、木浦間はKTX<日本の新幹線のようなもの>で片道3時間ほど)
ソウル、鐘路5街駅近くの広蔵市場(クヮンジャンシジャン)でお昼。
ピンデトックとマッコリ。 タマネギの醤油浅漬け付き。 これで7千ウォン(500円ほど)。
手拭きはトイレットペーパー。
若い人たちであふれる大学路。
カフェに入って、本を読むふりをして、若者たちの話に耳を傾けたりもしてきました。
ほとんど理解できませんでしたが・・・。
今回の韓国旅行、疲れたけど楽しくとても充実した旅でした。