興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

梅雨空の越後へ

2016-07-08 | 散歩、時々旅

先日、越後湯沢に一泊で行ってきました。 同期会出席のためです。

ついでにと思って上越新幹線の浦佐まで足をのばし、西福寺開山堂の天井彫刻と、裸押合い祭りで有名な浦佐毘沙門堂を見てきました。


上の写真は新潟県魚沼市にある曹洞宗西福寺

門前に立つ像は、幕末に活躍した彫刻師、石川雲蝶(いしかわうんちょう)の作った火除地蔵(ひよけじぞう)です。

 

 

 

  

これが西福寺にある開山堂(かいさんどう)

豪雪から堂を守るため、建物全体がやぐらで囲われています。

西福寺の見どころは、なんといってもこの開山堂にある石川雲蝶の天井彫刻 「道元禅師猛虎調伏の図」 です。

実は今回、わたしはこれを目当にここを訪れたのです。

寺内は撮影禁止なので、西福寺のサイトをここに貼り付けておきます。
http://www.saifukuji-k.com/


仏間の天井の、6畳ほどの狭いスペースに、雲蝶が6年をかけて彫り上げたという、カラフルで濃密な彫刻世界が広がっています。

中央に大きな体をくねらせている龍は、鮮やかな彩色がほどこされ、目をむいて今にも飛び出してきそう。 それに恐れをなした虎が隅に逃げかけています。

力強い岩と木々と水の流れの中に、鯉とさまざまな鳥や動物が細密に刻みこまれています。 そして静かに座禅を組む道元禅師。

この天井彫刻の迫力は、言葉ではとても表現し切れません。まさに 「百聞は一見にしかず」 です。

さらに、この天井彫刻をとりまく欄間には、彩色はされていない透かし彫りが、ぐるりとめぐらされていました。
ここの、細かくリアルでありながら力強さと動きのある表現からも、雲蝶の彫刻師としての高い技量と才能を十分に窺うことができます。


雲蝶の彫刻や絵の作品は、この魚沼地区を中心に、今も少なからず残されており、雲蝶は ‘日本のミケランジェロ’ とも ‘越後のミケランジェロ’ とも呼ばれているとのことです。




                

新潟県出身のわたしも、数年前にさる雑誌(JAF Mate 2011年8.9月号)の新潟県に関する記事を見るまで、この天井彫刻のことを知りませんでした。雲蝶は、 国内にも国外にも、もっともっと知られてよい人物かもしれません。

 

 

 

 

  

ここ魚沼地区は、いうまでもなく魚沼産コシヒカリの本場です。

写真は、田植えからひと月半ほど経った景観です。タクシーの運転手さんに車を止めてもらい、写しました。
田んぼは青々とした美しい緑におおわれ、美味しいコシヒカリが順調に生育しているようです。

この日はあいにく降ったり止んだりの雨。 山に雲が低くたれこめています。 晴れていれば見えるという八海山も、残念ながら雲に隠れてよく見えませんでした。

 

 

 

 

 

こちらは浦佐毘沙門堂、普光寺(新潟県南魚沼市)の楼門。

日光東照宮の陽明門の形を模して造ったとのこと。 欅の裸木造りで、歳月を経て黒ずみ、陽明門の絢爛豪華さはありませんが、その代わり、頑丈さと重厚さ、力強さがあります。

 

 

 

 

楼門わきの長寿欅。(樹齢は分かりません)

 

 

 

 

ここが毎年3月3日に 「裸押合い祭り」 の行われる毘沙門堂本堂。 毘沙門天 (多聞天) を祀っています。
http://www.city.minamiuonuma.niigata.jp/kanko/event/1461655613698.html

 

 

 


 

同期会は、越後湯沢の音羽屋旅館で行われました。懐かしい顔が集まりました。

音羽屋旅館は大きすぎず小さすぎず、それ故にか、清潔感と温かみのある宿でした。