菜園から刈り取ってきたゴマを数日間乾燥させ、さや(上の写真)から種(実のつぶ)を取り出します。
これがいわゆるゴマ(胡麻)ですね。
取り出したゴマを、ふるい(篩)にかけ、ゴミやホコリを取ります。
そのあと水洗いをしてきれいにするとともに、実入りの悪いゴマは浮いてくるので取り除く。
それをザルに取り、水を切って乾かす、という作業が続きます。
きれいにしたゴマをを土鍋で煎ります。
煎っているとゴマはパチパチと飛び跳ね、‘ゴマダンス’ を始めます。香ばしい香りが立上ってきました。
熱々のゴマをアップで写すと・・・。
これは、乾電池式の ‘ごますり器’。
ほんとうはすり鉢で擂ればもっといいのでしょうが、ごますり器は手軽で便利。手入れも楽です。
摺りゴマは一度に作ってもすぐには食べきれないので、さやから取り出す以降の作業は、回数を分けて1回に少しずつ行っています。
ところで、他人にへつらって自分の利益を図ることを「胡麻を擂る」といいますが、胡麻を擂ることがどうしてそういう意味になったのでしょう。
『故事俗信 ことわざ大辞典 第二版』(北村孝一・監修/小学館)には、
「すり鉢の胡麻が四方のあちこちにまんべんなく付くところから、人にへつらう意にたとえるとする説がある。」
とあります。
すり鉢で擂ることが前提にあって生まれた意味ですね(一つの説)。
ごますり器を前提にすれば、「あちこちにベタベタ付くことはない(よけいな気は遣わない)。手際が良く、サッと仕事をこなす」(人だ)という意味が付加できそう。
「でも、なんだか面白みのないヤツだなぁ」などという評価も出てきそうですね。
ともあれ、穫れたて、煎りたて、擂りたての、自家製「三たて」ゴマは、栽培から考えるとたいへんな時間と手間がかかります。
でも、だからこそ最高に香りの立つ、この上なく美味しい胡麻を食べる贅沢が味わえる、ということなのでしょう。
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