韓国におもしろい ‘四字熟語’ がある。
내로남불
これを日本語に訳すと、「自ロ(カタカナ)他不」となる。
意味は韓国語で「내가 하면 로맨스,남이 하면 불륜」、日本語で「自分がすればロマンス、他人がすれば不倫」。
(내=自分、わたし 로맨스=ロマンス 남=他人 불륜=不倫)
実体が同じでも、自分のことであればロマンスと美化し、他人がすれば不倫と悪く言う。
ものごとを自分に都合のいいように解釈し、主張する人の身勝手さを、端的に、皮肉をこめて表している。
これは四年ほど前の朝鮮日報の、政治論評コラムの中にあった言葉だ。
わたしがこの言葉を知ったのは、そのコラムがかつてわたしの通っていた韓国語講座の教材の一つに、たまたま使われたからだ。
編集委員と肩書のついた筆者は、この文の中で「내로남불が勢力をふるう時代」と書き、立場が変わって主張をコロッと変えたさる政治家を、痛烈に皮肉っていた。
この내로남불は、当時(今もか)韓国でよく使われていた言葉なのであろう。
今の日本でも状況は同じように見える。政界においても ‘내로남불人間’ は掃いて捨てるほどいる。
例えば、数年前、大臣になったとたん、自分のブログで脱原発を主張してきた記事をあっさり削除してしまった政治家もいた。
それはともかく、わたしもこの내로남불を下敷きに、「創作四字熟語」を作ってみたくなった。
苦吟の末できたのがこれ。
自必他偶
意味は「自分が上手くやれれば必然、他人が上手くやれば偶然」である。
この創作意図は、「人はとかく自分の幸運は自分の実力のなせるわざ(必然)と過大評価しがちで、他人の成功はその人の幸運にすぎない(偶然)と過小評価したがる」というものだ。
ひねくれ者の人間観と言われれば、そうかもしれない。
ついでながら、この「自必他偶」とその「意味」を、わたしなりに韓国語に訳してみた。間違いや改善点があれば、お教えいただきたい。
「내필남우」
「내가 잘 하면 필연,남이 잘 하면 우연」
(잘 함면=上手くやれば 필연=必然 우연=偶然)
2021.9.10
【最近共感した言葉】
(小沢一郎氏の 9月9日ツイッターから)
信念は政治家の命。誰しも総理を目指すのはそれを実現するため。
今回の総裁選候補の一人は脱原発を信念として掲げてきた。ところが大臣になった途端、「所管外です」と封印。
仮にこの人物が総理になったとしたら実現できる立場になる。
もし権力欲のために信念を曲げるなら、もはや政治家とは言えない。
*上の写真の花はペチュニア。本文と関係ありません。