「アンリエットの巴里祭」(そのリメークの「パリで一緒に」)とか「おかしなおかしな大冒険」ほか妄想をモチーフにした先行作品だと、現実との齟齬や対立で笑わせながら話を組み立てていったわけだけれど、ここでは現実の方が最初から大きくデフォルメされて現実離れしているのでどうにも緊張感とか展開のおもしろさというのが出ようがない。
DVDで見ているドラマの中の韓流スターが現実の電器修理工として現れるなんて、ありえますか? 縛りがなさすぎてだらけたみたい。
エッチな妄想そのものが初めからパンツをはいているみたいで自主規制ぎみ。中学生の妄想にありがちなあるある感も薄い。
作者の中から噴出してくる妄想としてケン・ラッセルみたいに妄想そのものが暴走して見るものを圧倒するほどの迫力や飛躍(それからそれを映像化する技術力と資金)があるわけでもない。
同じ作者でも「あまちゃん」の好評とヒットとはおよそかけ離れた結果になったみたいで、難しいものです。
(☆☆★★★)
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中学生円山@ぴあ映画生活
中学生円山@Movie Walker