前半の現実に意識下の情景が嵌入して現実の光景と秩序が崩れていくあたり、悪夢か幻覚のような、脳に刺さってくるような現実以上のリアリティがある。
世界の秩序の崩壊感覚を表現するのに、単純にカットが変わるとなかったものが現れたりするプリミティブな技法から、デジタル技術ばりばりの表現まで、縦横に使いこなしているのが見もの。
首長竜は当然CGだけれど水はどうだろうと思ったらこれもCGだという。さまざまな映画的な技を駆使している感じです。
それにしても廃墟というのはなんで映像にすると魅力的なのでしょうね。生きて活動しているリゾートはそこにいれば居心地いいだろうけれど、映像にするとつるっとして表も裏もない感じになる。日本全体がつるつるした新品か廃墟かで、年輪を刻むということがなくなっている。
二人の脳をシンクロさせるなんて「エクソシスト2」みたいだなと思っていたらあれと同じように博物館が出てきた。人間の意識の下層に下りていく機能から自然に導かれた偶然の一致かもしれないが。
それにしても佐藤健は睫長いのう。
(☆☆☆★★★)
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リアル 完全なる首長竜の日@ぴあ映画生活
リアル 完全なる首長竜の日@Movie Walker