prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ローマでアモーレ」

2013年06月22日 | 映画
英語と同じくらいイタリア語がとびかいます。ウディ・アレンといったらおしゃべりだが、おしゃべりとあったらイタリア語くらいぴったりの言葉もない。
エンドタイトルを見ると、スタッフも大半が現地調達のようです。
アメリカ人が見たら、意味のわからないおしゃべりをどう受け取るのだろう。アレン自身の役が、イタリア語がわからないのが花という具合にしてある。

最近のアレンの映画作りは観光地巡りを兼ねた老後のホビーみたいになってきました。
カットやシーンのつなぎなど相当に無頓着になってきている気がします。たとえばパパラッチに追いかけられたロベルト・ベニーニが自宅に逃げ込もうとして鍵を開けようとするがあわてているので鍵が入らない、そこで中から開いたのでとびこむのだが、当然中でドアを開けた家人がすぐそばにいないとおかしいのに少し離れたところから寄ってくる、とか二組が別のところでイタしているところで片方では雨が降ってもう片方では晴れっぱなしになっているとか、同じ時間帯なのか全然違うのかよくわからない。どうでもいいといえばいえるけれど。

あれと思ったのはロベルト・ベニーニのエピソードが完全に筒井康孝の「おれに関する噂」だったこと。まあ、現実の方が「おれに…」に追いついてから久しいから、それほど不思議ではないとはいえばいえるが、アレンが読んでいるのかどうか。
「ハンナとその姉妹」公開時に、荻昌弘が「なんと『細雪』ではないのと心ときめかせました…感謝祭から感謝祭などという作劇じたい、前進をエネルギー源とするアメリカ映画からはなれている。もしかしたら本気で谷崎を読み、自分のものにしたのかもしれない。このひとりぼっちのニューヨーカーならそれくらいのことしかねない」という意味の評を書いていたが、実際に影響を受けているかどうかはともかくどこかアメリカ(映画)ばなれした体質が自然と遠いところと似てしまうシンクロニシティはあるかもしれない。

色彩撮影がまことに美麗。
(☆☆☆★)

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6月21日(金)のつぶやき

2013年06月22日 | Weblog

【本棚登録】『大島渚 ---〈日本〉を問いつづけた世界的巨匠 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)』 booklog.jp/item/1/4309977…


【本棚登録】『デューク・エリントン・プレゼンツ』 booklog.jp/item/5/4526180…


今が一番日の長い時期なのだけれど、雨が多い時期でもある。


【本棚登録】『災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録』中井 久夫 booklog.jp/item/1/4622076…


選手も監督もこれだけ色んな国の人間が混在しているのに、サッカーのチームの国籍を問題する意味がどれくらいあるのだろうとちょっと思ったりする。一番国籍によって固まっているのはファンということになりますか。 #ss954


韓国も変なところで日本の影響残ってるんだな。一方で親日反民族行為者財産帰属特別法で親日派の財産を没収するという、法律の不遡及という近代法の大原則を無視するという真似もしているわけで。 #ss954