prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ハード・ラッシュ」

2013年06月24日 | 映画
なんかほとんどおっぽり出すような公開のされかただったけれど、こういうのに拾い物が混ざってないのかと探すのも楽しみ。で、それがたまに当たることがあるのですね。
悪い意味でなく、新橋文化で二本立てで見るのがお似合いという感じ。

マーク・ウォルバーグといったら昔本当にヤンチャで今は更正しているアメリカ版アニキの代表みたいな役者だが、そのあたりを考慮してか元一流の運び屋で、義弟のドジの尻を拭くために復帰しなくてはいけないという設定。身内を守るために体を張るというのもアニキらしい。

で、実際に大型貨物船に乗り込んでからが、船の構造を生かした隠し場所の工夫や、船の出港が遅れるとすごい金がかかるので遅らせられないといったん下りてから又戻ってくるまでのデッドラインを強調したりとか、残してきた家族に危機が迫っても手を出せない焦燥感とか、細かい工夫がいっぱいであきさせない。
CGや火薬の量で目くらましをするのではない知恵が凝らしてあるのがうれしいところ。
何の鍵を作っているのかという伏線の張り方と回収も冴えている。

悪い奴から金をとっても麻薬には手を出さないといったモラル面も考えられている。

オープニングで話される車の輸入で大もうけする手口、というのはサミュエル・ゴールドウィン(昔のハリウッドの大プロデューサーで、MGM=メトロ・ゴールドウィン・メイヤーの真ん中のGはこの人のイニシャル)が映画界に入る前、婦人用高級手袋でやっていた手口のバリエーション。大詰めの趣向も某怪奇探偵小説の古典の手の現代化、といった具合に作り手が勉強しているのが伺える。

ケイト・ベッキンセールは珍しく生活感のある役で、あまりメイクしていないように見えるメイク。代わりに、ということかブロンドにして華やかさと美人さんぶりは保ってます。

船長役がテレビLAW & ORDERの精神科医ドクター・スコダ役で準レギュラーといっていいくらいたびたび(20シーズンで46回!)出演していたJ.K.シモンズ。ずっともっともらしい役で見ていてこういうかなり裏表ある役で見ると変な感じ。
(☆☆☆★★)

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ハード・ラッシュ@ぴあ映画生活





新宿ミラノ座の男子用の前に貼ってありました。

6月23日(日)のつぶやき

2013年06月24日 | Weblog

それにしても、地方選挙で国政ばかりが訴えられて、よその市長が演説に来るってなんなんですか。足許を見なさいよ。


トーマス・マンの「ブッデンブローグ家の人々」が岩波から再販。今まで絶版になってたのか。


都議選の投票に行ってきたけど、前は一時間ごとの投票率を貼り出していたのに、今回は実数だけ。あまり率が低いとみっともないせいか。


DR.HOUSEのサーティーン役のオリヴィア・ワイルドって、佐伯日菜子に似てるなあ。


ビッグイッシュー買うのに領収書もらえるのかな。


【本棚登録】『若松孝二 ---闘いつづけた鬼才 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)』 booklog.jp/item/1/4309977…


今気づいたのだが、支持者というと支持する側で、支持政党というと支持される側になるのはなぜだろう。


それにしても、開票率0%で当確が出るってどういう魔法だ。


いわゆるメンタリストが発言の中に暗示を交えて人の心を操るなんて言うけど、選挙の事前予想なんてそのまんまじゃん。最近、メディアの予想が外れたことなんてあったっけ。実質誘導でしょう。


なんと、民主党は共産党より少ないんだ。


しかし、なまじ政権取るとあとが惨憺たることになるな。共産党が増えたのはおよそ政権につきそうにないからで。