prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「完全なるチェックメイト」

2017年04月07日 | 映画
たかがチェス、なのだけれど、それが冷戦時の米ソ決戦、盤上の第三次世界大戦になってくるバカバカしい大仰さの一方で、肝腎のボビー・フィッシャー自身は国家の威信などまるで意に介さず、ひたすらチェスに頭を絞ったあげく記録カメラの音や盤に駒を置く音がうるさくて気が散るとか正気の沙汰ではないことを言い出す。

とんでもないワガママ勝手で歪な性格の男には違いないのだけれど、では周囲の騒動はまともなのかというとこちらも十分クレイジーという具合に逆照射してくる構造が、ハーバード大学で歴史学を学んだ監督のエドワード・ズウィックの視点なのだろう。

最初はクールに決めていたソ連代表ボリス・スパスキー(イーヴ・シュライバー)が次第に引きずられるように(あるいは単に地金が出ただけか)だんだんおかしくなってくるのがまた面白い。
チェスのプレイぶりそのものは映像で描きようがないので、駆け引きや反応の方で対処している。

しかし、すでに冷戦時代はコスチューム・プレイの対象になっているなと思わせる。テレビその他の小道具の古ぶるしいこと。

以前「ボビー・フィッシャーを探して」というボビー自身は出てこない、世界チャンピオン王座を返上して隠遁した時期のボビーをモチーフにした映画があったが、ユダヤ系なのにユダヤ差別発言をやらかしたり、まあ変人ぶりは大変なもの。
トビー・マグワイアがエキセントリックな天才を張りきった調子で演じている。
(☆☆☆★)

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映画『完全なるチェックメイト』 - シネマトゥデイ

4月6日(木)のつぶやき

2017年04月07日 | Weblog