社会がますます経済性だけが唯一の価値観になってくると人間の平準化を進めていくことになり、発達障害みたいに元から非定型な脳の発達の仕方をしている子たちの居場所受け入れ場所がなくなる、というのは世界的現象らしい。
本来だったら発達障害者をケアするだけの訓練を受け資格を持った機関や職員が担当すべき事象、というのが国、お役所としての原則なのだが、実際問題としてそういう定型化されたシステムだからこそ非定型な人たちにはうまく当てはまらないという、単に行政の怠慢を責めるといったわかりやすい構図以上の本質的なパラドックスを描けたのが優れたところ。
映画は様々な発達障害者たちを弱者や欠落した存在としてではなく、またことさらに「個性」の表出としてでもなく、「社会問題」劇の要素ではない個々の人間としてデッサンできたのも秀逸。
本来だったら発達障害者をケアするだけの訓練を受け資格を持った機関や職員が担当すべき事象、というのが国、お役所としての原則なのだが、実際問題としてそういう定型化されたシステムだからこそ非定型な人たちにはうまく当てはまらないという、単に行政の怠慢を責めるといったわかりやすい構図以上の本質的なパラドックスを描けたのが優れたところ。
映画は様々な発達障害者たちを弱者や欠落した存在としてではなく、またことさらに「個性」の表出としてでもなく、「社会問題」劇の要素ではない個々の人間としてデッサンできたのも秀逸。