prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「フレンチ・コネクション」

2020年10月14日 | 映画
何度見たかわからないが、今回BSプレミアムで見直して思ったことのメモ。

冒頭の殺し場から、フリードキンの殺し場は顔面に血が広範囲にしぶいて真っ赤になる描写を好む。
「LA大捜査線 狼たちの街」でも何度もやっていた。
同作のカーチェイスで、反対車線に入ってしまうという趣向があったが、ここですでにやっている。あれを大々的に作り直したわけね。

ドイルを狙った狙撃が外れて巻き添えをくった女性はその後ほったらかし。考えてみるとひどくないか。

そこをはじめ、乳母車が何度も出てくる。
花屋にいるシャルニエを見張る場面でも横切るし、カーチェイスでも危うく轢きかける。
危ないっと思わせるのに効果的には違いないが、エグい気もする。

麻薬が本物かどうか調べる検査係が細面で縁なし眼鏡をかけていて、風貌がフリードキンに似てる。
この検査シーンや、麻薬が隠された車をバラバラに解体するシーンの、細部を克明に重ねていく典型的フリードキン・タッチ。
「エクソシスト」の病院の検査シーン、「恐怖の報酬」のボロトラックを整備する場面。

それにしても、この70年代初頭のニューヨークのなんという荒廃ぶり。映画的には魅力的だが。

スタント担当のビル・ヒックマンBill Hickmanが俳優としても出ている。

原作者のエディ・“ポパイ”・イーガンもSimonson役で出ている。