prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マティアス&マキシム」

2020年10月10日 | 映画
「ミッドナイトスワン」で草彅剛扮する性同一性障害者が就職の面接で「LGBTQって、流行りなんでしょ」と(心ない)担当者に言われる場面があったが、確かに流行りといっていいくらいこのところ日本映画を含めて性的マイノリティを扱った映画が続いている。
ただこれは監督脚本主演のグサヴィエ・ドランがゲイであることをカムアウトしているところが違うといえば違う。

とはいっても自伝的側面に密着しているわけではなく、もともとマティアスとマキシムのかなり社会的地位の違う(言葉遣いなどからドラン自身が扮する後者の方がだいぶ下なのがわかるという)ふたりが接近するのが出演映画の中の芝居としてのキスシーンという具合にストレートな第三者にも接近しやすいように組み立ててある。
ただ、突っ込んだ描写となるとかなり距離を感じるには違いない。

二人のわちゃわちゃ具合がホームパーティーみたいな小規模な仲間うちで浮いたり溶け込んだりする、あちらの映画はこういう麻雀のパイを混ぜるみたいに大勢がなんとなく集まったり離れたりする場面が自然。

カナダでは英語とフランス語の両方が公用語なのは知っていたが、両方できる人というのは必ずしも当たり前ではないみたい。地域によって相当違うらしい。