prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブラック アンド ブルー」

2021年04月29日 | 映画
貧困地域出身の黒人女性がそこから出ていくべく軍隊に入り、除隊後警官になる。
そして警官として元いた地域をパトロール中、そこで相棒の警官が絡んだ麻薬組織との癒着と腐敗を知ってしまい、組織と警察の両方から孤絶した地域で追われることになる。

この孤立無援な脱出劇の設定がサスペンスものとしても社会問題の取り込み方としても秀逸。黒人にとって警察は理不尽な弾圧機関以外の何者でもないという前提と、女性排除=ミソジニーが強い組織であることが今では周知になっているので、孤立ぶりが際立つ。
悪党内部にも人種による格差があって、黒人ボスを白人が騙しているのがバレるかどうかのサスペンス設定など上手い。

警官が身につけているボディカメラの映像など小道具の使い方も定番だが効果的。

アクションシーンでも軍隊帰りという設定が生きることになる。
ナオミ・ハリス、大力演。