ゾッキという言葉を辞書で引くと、
1 投げ売りなどによる安売り。
2 全部ひとまとめにして売買すること。
2 全部ひとまとめにして売買すること。
と載っている。
俳優の竹中直人、山田孝之、齊藤工が大橋裕之の初期マンガ作品集「ゾッキA」「ゾッキB」それぞれ監督したのをつなぎ合わせた作り。
ただし、どこからどこまでがひとつづきのエピソードで、どのエピソードを誰が監督したのかはエンドタイトルで見るまでわからないし、ずらっとまとめてエピソードと監督と出演者の名前が並んでもどこからどこまでがまとまっていたのかはおよそつかみずらいので、それこそ「全部ひとまとめにして売買する」になる。
一本の映画とすると、どういう具合に全体像をつかんで個々のエピソードがどうその中で位置づけられるのか見当をつけるのが、ひどく難しい。
いったん終わったかと思うと、間をおいてまた始まったりする。
普通は見ながらここでどんでん返しがくるぞとか、ここからがクライマックスだろうと見当つけながら見るわけだが、そういうペースがつかめないというのはなんと疲れるものかと思う。
ひとつひとつのエピソードの流れは面白いのだから、もうちょっときちっとしたオムニバス形式にできなかったものだろうか。
どれを誰が監督したかわからないから、監督の腕比べを楽しむという見方もしにくい。