スタンリーの父親がとっただろうホームムービーが見られる。妹と一緒にいるところが多い。後年、女嫌いだと言われたりしたけれど、女性に囲まれていることがむしろ多い。
初期のドキュメンタリー「拳闘試合の日」で、共作したジェームズ・ハリスはキューブリックがこの映画で、得するのは僕だけだからさと豪語したものだと語る。
「現金に体を張れ」の撮影のルシエン・バラードはずっと年下の若僧監督にはレンズの違いがわからないだろうと思ったらしいが、もちろんキューブリックはレンズの画角、効果など知悉していた。
バラードがマールオベロンと結婚していたとは知らなかった。
「スパルタカス」の冒頭のシーンは初めに契約していたアンソニー・マンが演出したらしい。あまり見分けつかない。
「スパルタカス」で優れていたのはキリストが出ないことだ、という意見が紹介される。そういやそうだ。
カーティス・ルメイはソ連上空に爆撃機を送ることを本気で構想していたという。
サイコだと言われるが、実際そうだ。そうでなくて東京大空襲を計画して実行するものか。(それを表彰する日本のトップもいい加減サイコだが)
「博士の異常な愛情」の撮影現場ではキューブリックはセラーズの観客になったように次々と繰り出されるアドリブを喜んで見ていたという。
「シャイニング」は楽天的な作品だ、死後の世界を描くのは楽天的ですよという発言。
リゲティのインタビューでスターリンの胸にナイフを刺すつもりで作曲していたという発言にぎょっとする。