prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「アルピニスト」

2022年07月20日 | 映画
作中でアルピニストのマーク・アンドレ・ルクレール が取材の申し込みに対してカメラが回っていたら「単独」登頂ではなくなるからと言って断るくだりがあるのだが、これは見る側としてもいつも微妙にひっかかるところでもある。

つまり望遠レンズで遠くから撮ったり、ドローンで空中から撮っているのならまだしも、登っている姿を上から撮っていたりすると、どうやってカメラをセッティングしたのだろうと思ってしまう。
そのあたりのメイキングというのも見てみたい。

マークは一種の発達障害らしくておとなしく授業を受けたりはできないので、おそらく会社勤めなどはムリだろうと母親が言うのだが、幸いというべきかアルピニストとしての才能を思い切り開花させることになる。

氷に壁にハーケンを打ち込むとぼろぼろと簡単に崩れていく。ここを登るというのは素人にはほとんど正気の沙汰に思えない。なぜ登るのだろうというと、そこに山があるからだなんて反射的に思ってしまうのだが、元のジョージ・マロリーにとっては誰も登ったことのない山、エベレストがあるからという具体的な目標だったというが、やはり前人未到の業績というだけ以上の不思議な意思を感じてしまう。

下世話な興味だが、いくら最小限の装備で登るにせよ、外国に行ったりするのだから一定の費用はかかるだろうが、それはどう手当てしているのだろう。